「観客に突きつけられる刃」アンコントロール bionさんの映画レビュー(感想・評価)
観客に突きつけられる刃
最後まで緊迫感が続き、肩の力が抜けない。暴動の渦中にたった2人の警官が取り残されたらどうなるのか。応援部隊があてにできなくなったらどうなるか。暴徒に囲まれた警官の表情や反応にフィクション感が全くなく、現実に起きている暴動を無人カメラが追っている感じすらある。
正義感を持った警官と力で移民を抑えつけることはやむ無しという警官のコンビが主人公だが、予想される展開は最初のうちだけで、後半からは、善悪の基準を混乱させられる。そして、想像を絶する結末を見せられて、その先は見ている自分が考えなくてはいけない。
移民問題は1つの基準軸で答えを出せない。簡単な解決法なんかありませんよ。その事をリアリズムの極致とも言えるストーリーで観客に突きつけているようだ。
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