アーカイヴのレビュー・感想・評価
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今際の際。
死んだ妻の記憶が保存されたアーカイブからアンドロイドに記憶を移して妻を甦らせようとする男の物語。
古くは「クリエイター」、最近では「レプリカズ」など、SF作品ではよく扱われてる題材。
劇中では試作品の旧世代ロボットに埋め込まれたAIが感情を持ち人間のように嫉妬したり悩んだりするさまが描かれる。物語はこちらが主流かと気を取られていると最後のどんでん返し。これはいいオチだったと思う。
主人公は何とか妻を甦らせようとしていたが、実は事故で死んだのは自分自身だったという。なるほど全編にわたって観客は今際の際の主人公の妄想を見せられていたわけだ。こういうの過去に同様の作品があったな。あれはオカルトホラーぽかったけど。
山梨県にしてはとても日本と思えない景色が広がってたり、変な日本のレストラン牛天国(?)とか、主人公の妄想世界ならば納得。
本作は、保存した人間の記憶をアンドロイドに移植し人間を永遠に生きながらえさせること、AIが感情を持つのかという二つの普遍的なSF的テーマをバランス良く描いた。小粒ながらも一粒で二度美味しい作品。
ロボットは人が入ってる感満載で、J3も人間にメイクしただけのもの。CGの予算足りなかったのかな。
それらの安っぽさをを加味してもなかなか掘り出し物の作品だった。
ゴースト・イン・ザ・シェル的な?
アンドロイドが出てくるSFスリラー。
美しい映像とストーリーの展開が面白かった。
所々、攻殻機動隊の「ゴースト・イン・ザ・シェル」を思わせるシーンがあり、インスパイアされているのがわかる。
主人公はロボット工学者で、山梨県の山奥の施設でアンドロイドを開発中。
まさかの「ヤマナシ」
施設がある山梨県だと言う山は、あまり日本ぽくない海外みたいな渓谷と滝。
雪が降りしきり、彩度を落とした静かな風景映像は美しくも冷たく寂しげ。
二足歩行のアシモみたいなロボットJ2と、ヨチヨチ歩く大きい箱物のJ1がかわいい。
たまに外に出てボーとするロボットJ2と美しい風景は良かった。
主人公のリビングにはでかい黒い箱がある。事故で亡くした奥さんの意識だけを「アーカイブ」というシステムで電話みたいに交流だけできるというもの。
未来にしてはこれが限界?って思ってしまう技術力だが、主人公が奥さんとそっくりなアンドロイドを作る流れの為グッと我慢。
でも、ロボットもアンドロイドも動きが生身の人間すぎる笑
「エクス・マキナ」は見た目はかわいい女性アンドロイドでも動きが機械っぽくて凄く演技が良かったな。
人間の意識や記憶をコンピュータに保存する手口は様々な映画で見たが、データを蓄積さえすればロボットでも魂が宿るのか、、、、。
アンドロイド警察の「チャッピー」もそうだったが、自ら学習して善悪を自己判断していくとなると、それは魂のあるモノなのかな。
脱線したけど、本作品の最後は全てひっくり返された終わり方で、観ていた私は主人公と一緒に置いてきぼりされた気分だった。
衝撃のラスト
面白かった。第3世代のヒューマノイドははっきり言って安っぽいけど、そんなことが気にならなくなるくらいの衝撃のラスト。『シックス・センス』的なので、二番煎じともいえなくないが……。J3が出来上がるシークエンスは、かの『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』そっくり。
J3に嫉妬して入水自殺してしまうJ2が不憫。
闇鍋
ロボットの飛躍はオチにつながり、低予算を逆に活かしてるのは分かります。
ですが、ロボ嫉妬物がオチに繋がってないのが微妙な原因。主観世界オチにするなら、その中で、客観的な視点のお話組んじゃうとあべこべ感が。
子供の設定があるなら、それを反映させてロボット親子者にすると良かったかも。それでも十分話が膨らみそうですよね。
それともAIの嫉妬だけじゃ話が持たないから無理やりどんでん返しいれられてしまったのか。
なんつか惜しい作品です。
そうきたか!
亡き妻(ジュール)を蘇らせるためアンドロイド(J3)
を開発中のジョージ(主人公)
これまでロボットのJ1とJ2をつくった
亡き妻(妻の人格?)とはアーカイブというシステムを通じて会話はできるが会話できる時間に限りが…
アーカイブを利用し新たにアンドロイド(J3)を完成させ、そのアンドロイドに亡き妻の人格を持たせようと考えていたジョージ…
アンドロイドが完成に近づくにつれ、ロボットの(J2)が嫉妬しはじめてゆく…
このあたりの表現は上手く人間的な表現がてきてて良かった、もっとJ2の嫉妬が強くなり的な展開かと想像しましたが、悲しい結果でした
最後のどんでん返しもタイミング的にも面白かった
以前鑑賞した『月に囚われた男』とかぶる様な展開に近かった感じですかね
近未来的建物やロケーションも好きでした
ただ、別に日本の山梨県という設定でなくとも良かったと思いました(笑)
してやられた…
ラスト、死んだのはテオの方だったとは。。ロボットも嫉妬する…人間に近づければ近づけるほど、完璧ではなくなる。人間は間違いを犯すし、完璧ではない。。完璧ではないものに近づけるほど難しい、何ていう映画だと思ったら、大どんでん返し。山梨の山奥にある研究所が舞台で、所内に謎の日本語が散りばめられ、居酒屋のような店にも花魁風のロボットがいたり、不思議なジャパニーズテイスト満載、日本のアニメ原作かと思ったが違うようだ。
死なないことの価値
というのがわからないので、なんで死んだ人を蘇させるために、何かを作るのか意味不明だった。感情まで入れてしまうと厄介になる。
やっぱりJ3はクローンでもなくて…
最後の展開でムリクリ強制終了?力技だった。
恋愛に必要なビタミン剤... 嫉妬
God looked upon his world and called it good, but Man was not
content. He looked for ways to make it better and built machines
to do the work. But in vain we build the world, unless the builder
also grows. (Outer Limits『I, Robot (1964年)』より)
本作品『アーカイヴ』は、死後の人の記憶であるアーカイブスがいかにフラジャイルな存在かが分かり、七つの大罪の一つであり、今や旧約聖書の中の物語『ヨブ記』を題材にしたゲームやアニメの登場人物である悪魔レヴィアタンが司る "嫉妬" を描いている。その事は、女子にとっては、胸に突き刺さり、行き場を見失う気持ちの逆噴射も強制的にさせるほどいったて、純粋な心を持っている方たちが登場をしている。
"Do Androids Dream of Electric Sheep?" (ブレードランナー原作名)
"嫉妬" ... 男の人の場合、醜く嫌らしい.. でも、女子は可愛くも映る。
親に捨てられたアトム
生き延びたいこころが芽生えたレプリカント
"SF映画の原点にして頂点" とされる 『メトロポリス(1927年)』のマリア
そして...
オスカー視覚効果賞受賞作『エクス・マキナ(2014年)』の"機械仕掛けの神"
アシモフのロボット三原則はこの世(映画)では、異端のように描かれ、アトムは自己犠牲で終わり、レプリカントは自己防衛のために人を襲う。マリアは火あぶりにされ、そして残るエイヴァは人を殺め、美しく変身して自由を手に入れる。
Doesn't mean I'm okay.
手がなく言葉のないボックスロボットJ1(Ø1:映画での表記)はプロトタイプの元始であり、知能は5~6才児と同じとされ、彼女は、ジョージを父親のように慕い、その進化系のヒューマノイドJ2(Ø2)は、乙女ごごろ真っ盛りの15~16才の女子で彼のことを思っている。そして最終形のJ3とジョージの接し方がJ2には、女子が物陰からそっと覗き込むようにJ3の存在が気に掛かって仕方がない?
"I thought we were a team,"
"Why don't you keep working on me?"
乙女ごころを全開にしてジョージに尋ねるJ2。すでに彼はJ3の事で頭がいっぱいなのをAIの優れた知能では分析ができてしまい、更に不幸な事に彼女J2に起こってしまう。彼女は足を奪われ慣れない別の足に変えれてしまう。そして彼女は絶望のあまり真っ白な水流が落ちる滝の前でエネルギーを使い果たすまで彼女J2は立ち尽くしている... 彼女の後姿が哀れで感傷的にもなってしまう。
本作品『アーカイヴ』が初監督となるギャビン・ロザリー... もともとは、バイオを見るとイラストレーター兼カツーニストで、1996年からゲーム業界で働いき、またグラフィックデザインやビジュアルエフェクトの仕事を通じて、視覚効果アーティストやコンセプチュアル・デザイナーとして広告、そして映画に携わるように... 前出のアレックス・ガーランド監督の『エクス・マキナ(2014年)』とは視覚効果を有効に使うところなど共時性が見られる。
この映画の舞台は山梨県とされているけれども実際のロケ地はハンガリーで撮影されている。監督の視覚効果の冴えたるものが施設内とは正反対にブラック&ホワイトのモノトーンで描かれた外界の世界観が、美術的にも優れていて、この映画の質感を押し上げている。しかし映画も中盤に差し掛かろうとした時、関西のラーメンチェーンのロゴやレストラン内のネオン電球やホログラム映像を使うあたり亜流の『ブレードランナー(1982)』に見えてしまい、その事で高い質を帳消しにし、観る気も失せてしまう。邪魔なプロットとしか見えていない。
『ダイバージェント(2014)』の時は生産国がアメリカなのでイギリス人俳優によく見られるようにテオ・ジェームズがアメリカのアクセントを使うのは分かるとしても、これって生産国イギリスなのに、その上、わざわざ映画では暴漢に対して身構えるのに野球のバットでなくクリケット用のバットを使っていたのに... 何故?
そもそもの話し、何故?舞台を日本にしたのか? 意味が分からない。別にハンガリーでもあまり話の内容には差しさわりが無いようにも思える。この監督、変なこだわりがある。
Daddy?
Mummy says we can't come and see you anymore.
I love you. Bye-bye
アーカイブスを死んでからも保存する発明はデジタルではなくアナログ形式で人間のデータを保存する必要があるため、短いスパンで減衰してしまう。故人は意識を保ち、愛する人とコミュニケーションを取ることができるが、数年後には意識が崩壊し、大きなボックスという愛する人の体を墓に安置するまでは、それらの記憶の呼び出しの質は徐々に低下することになる。
スタンリー・キューブリックとアーサー・C・クラークという巨人の偉大な歴史的映画『2001年宇宙の旅』の超高性能AIのHALのようにAIマシンの精神的故障にもかかわらず、それは素晴らしいダイナミクスがあり、私たちが前に見たことがない夢物語とは同じAIを描いているのにこの映画が程遠いにしても...
彼らは基本的に、この所定の有効期限が消失するまでは、故人の意識から電話で話すことができる。ジョージは、彼女が永遠に消える前に、彼の妻の人工バージョンを作成しようと試みる。その事にかまけて彼が手塩に掛けて製作したプロトタイプのJ1とJ2を今やただのロボットとしか見ていないことで彼女たちが外見は鉄ではできているかもしれないけれども彼女たちの身体にはれっきとした清くて優しい心があるのに無関心で見捨てられた様な姿は、この映画の哀しみを誘うポイントとなっている。
映画『ダブルオーセブン』のロータス・エスプリS3や『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のデロリアンDMC12を登場させるこだわりを見せているギャビン・ロザリー監督... 『アーカイブ』は誰にとってもいい映画になるわけではない。COVID-19パンデミック禍で、山奥で孤立してまで研究に没頭する科学者の姿を描いた映画は、一般の人々に魅力的に聞こえないかもしれない。詰まらな過ぎるかもしれない。
しかしながら、映画『アーカイブ』はあなたが最後の瞬間にショックに値する意外性を感じ、また微妙なユーモアを持つ視覚的に素晴らしい映像美にあふれている映画と言えるかもしれない。
視聴制限として、ラスト8分間は決して寝てはいけません。 悪しからず。
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