世界で一番しあわせな食堂のレビュー・感想・評価
全78件中、61~78件目を表示
よく出来た映画だと思います。だが…
まず設定に少し無理があるの思う。
映画自体は「かもめ食堂」に少し似ていて
ちょっと癒し系の雰囲気もある。
ただ「あのスープを食ったら身体の調子が良くなった。」とか
「この料理絶品だ!。」とか出てくると
ちょっと「うそーん(^^;。」と思ってしまうw
いや確かに中華料理は美味い。
それに異論は無い。
そして薬膳料理だと言う設定だけど
中華料理って案外高カロリーで病気を治癒したりする力までは無いと思う。
また途中で中国人ツーリストが出てくる場面があるのだけど何故かとても下品に見える。
何故ならフィンランドまで来たのだから
フィンランド料理を食べろよと思うんだけど
何時もと変わらぬ中華料理を食べているのと
フィンランドのこんな片田舎に大挙して押し寄せてくるところを見ると
「俺ら金はあるんだもんね。」式のイヤーな感じしか湧いてこない。
そのうちいつのまにかフィンランドの片田舎の食堂が中華料理店の様になるところを見て
これは文化のマウンティングを見ているようで
なんだか素直に腹落ちしてこない。
自分はむしろフィンランド側の俳優さんが味のある人が多くて
その点はとても良かったと思う。
むしろフィンランドの自然を背景にしててフィンランドの包容力の高さを見たような想いがする。
下衆の勘ぐりだと思うが中国の一帯一路政策のためにこんな中国アゲの映画を作らざるを得なかったのかなと思う。
中国人から見ると最後は白人の嫁さんを貰って
めでたしめでたしなのかもしれないけど
これをフィンランド人が見て果たして納得するのだろうか?
何度も言うが映画自体はよく出来ていると思う。
細かいところに気がいかないなら
普通に楽しめると思う。
20〜30年前の昔ならおそらくチェン氏の立場を日本人がやっていたのだろうと思う。
でも今はその立場は中国人にとって変わったのだなあと言う気がしてきて堪らない。
まあでも細かい事が気にならないなら
普通に楽しめる映画ではあると思う。
どうしても比べてしまう。
フィンランド、食堂、と言えば、やっぱりかもめが出てきてしまう。かもめの日本食の音と映像が胸に響きすぎて今作はなんだかインパクトが弱い。森と湖と食堂、ベースは同じだけどおにぎりほどの共感は得られなかった。
真面目さと言うか実直さが良いです
中国人の良さをフューチャーしている作品 フィンランドの美しさをもっと見せてほしかった 田舎町ならもっと素晴らしい自然があるはず? 湖畔の風景は良かったが・・・・ 話の筋は思った通りだが、終わりごろはマンネリ化してしまい、眠気が・・・ クライマックス?が観れなかったのが残念
ウマー!(゚Д゚)
フィンランドの田舎町ポホヤンヨキの食堂にフォントロンという人物を捜す中国人父子がやって来て、食堂が大繁盛していく話。 女性オーナーが父子に空き屋を提供し、実は上海の高級料理店のオーナーシェフだった中国人が、中国人観光客に対して腕をふるったことから、大繁盛すると共に、父子が地元民と交流する様になっていく。 比較的生真面目なチェンの振る舞いが、何だか堅苦しい序盤から、トニオ・トラサルディのパール・ジャム(ジョジョの奇妙な冒険第四部参照)もびっくりな薬膳料理にと、やり過ぎでユニークな演出がタップリで、何度もクスッとさせれらるしホッコリ。 そんなサクセスストーリーに、チェンの人捜し含むバックストーリーに、これからの物語にと、単純ながら優しくコミカルな物語でとても面白かった。 ただ、単純な分、後半の引っ張りが少しダルかったし、ビザの件は何でそうなる?と主人公よりもっと堅苦しい自分にはちょっと引っ掛かってしまった。
中国人でなかったら…
フィンランド北部ラップランドで、実は料理が苦手な女性が一人で切り盛りする地元の老人の溜まり場的なレストランに、突然中国人父子がやって来る。会う人片っ端からお辞儀をして、ある男性を知らないかと訪ねて回り、それを冷めた目で見てスマホゲームばかりしている反抗的な小学生の息子。探し人の手掛かりが全くないので途方に暮れている親子に、余っている部屋(一軒家)を提供するレストランのオーナー、シルカ。翌日もレストランで人探しを続ける親子と、距離を取るレストランの常連客。そこに、中国人ガイドが中国人観光客を大勢連れてレストランへやって来た。定番料理のポテトとソーセージを見て、ネガティブな反応を見せる観光客達。シルカが困っていると、中国人の父親が急に、私が、と名乗り出て、隣接のスーパーで食料を買い込み麺料理を提供する。実はこのチェンは上海で高級レストランのシェフをしていたのだった。それが評判となり団体の中国人観光客が次々にやって来て、チェンは腕を奮うが、給料は受け取らない。最初は「あんな料理」と言っていた常連客も、美味しそうに食べる人達を見て自分達も口にし始め、中華料理の美味しさを知る。そうしているうち、チェンが探していた人は発音が悪かったため誰も気づかなかったが、数年前に亡くなっていた人だったと判明。それであれば、と帰国準備をしていると、既にレストランとシルカにとって欠かせない人となったチェン達をシルカが引き止め、しばらく滞在することにする。チェンはトナカイ肉を使った料理や“医食同源”の体を癒すスープなどで、すっかり地元民に受け入れられる存在になり、フィンランドのサウナを教えてもらう。地元の小学校から見学に来て、息子を子供達と遊ばせたいと考えたシルカは、彼に自転車を買ってあげるが、チェンは自転車で遊ぶ息子を激怒、亡くなった母親は自転車での事故だったと話す。徐々に距離が縮まる3人、チェンもシルカの過去を尋ね、離婚歴があることを知る。
そんな時、村で歌手のコンサートが開かれ、皆ダンスをするので、シルカはチェンにかダンスを教え、3人でコンサートに行く(ムード歌謡みたいな歌)。
ある日、常連客でもある警官が、チェン達のビザが切れて不法滞在であると知らせに来る。チェンが既に特別な存在になっているシルカは耐えられず、それを察して常連客達がチェンをイカダ?のクルーズに連れ出す。酒を酌み交わし、歌を歌い、またチェンの歌も聞く。
今では料理だけでなく村人みんなで太極拳までしている。シルカはチェン親子と中国で結婚式を挙げ、スマホで中継するのだった。
結末としては共通点の無い男女が結ばれる恋愛話だが、北欧の田舎の人々が異文化と異邦人を徐々に受け入れて行く様子が良い。ただ、彼らはよそ者に対して戸惑いは見せたものの排除の様子は見せなかったので、もともと寛容な人たちである。また、ラップランドの清々しい空気が伝わってくる。
一方、コロナ前、中国人が爆買いしていたのが記憶に新しいのと、中国が世界第2位の大国として影響力を拡大しつつあるため、単に多様性の受け入れと映らない(受け取れない)のは否定できない。中国でなく、ベトナムなどもう少し小国であった方が良かったのでは…、と思うが、小国だとラップランドまで団体で行かないよなー。
最初に来た中国人団体客が「お寿司はないの?」と聞いたり、チェンがいちいちお辞儀をしたり、中国人への理解がおかしい気もした。チェンの中国語の歌を知っている筈もないのにアコーディオンで伴奏するのはご愛嬌。
チェンは朝日放送の岩本アナと三宅弘城を足して2で割った感じ?シルカはすこしリース・ウィザースプーンに似てる?
【医食同源】
ヨーロッパでも、バックパッカーをしていると、結構食事に飽きてくる。 フランス、イタリア、スペインは問題なくても、他は結構すぐ飽きる。 イギリスはもってのほかだが、ドイツや北欧も結構飽きる。 そんな時、世界中のあちこちにあって、味も安定して同じなのは中華料理だ。 日本のように、チャーハン、餃子はないが、とにかく安心できる味だ。 それに比べて、日本食は、少しインチキっぽかったりするので、やっぱり、インターナショナルNo.1は、中華だと思う。 チェンは、クコの実、持ち歩いてるんだーって思った。 まあ、この恋愛ストーリーは、ちょっと出来過ぎな気はするが、経済的に豊かになって、世界中を中国人が旅行するようになったということもあるのだろう。 フィンランドの片田舎に行って、中国人が、寿司食いたいって言っていたのは、少しイジリすぎだとは思う。 もう一つのテーマらしき「医食同源」は、日本人の新居さんが中国の故事成語をちょっとアレンジしたものだ。 中国では「薬食同源」と言われていて、新居さんは、薬を食べるようなイメージがあると、「医食同源」に組み替えて、普段の食事は医術と同様に大切なんだ訴えたのだそうだ。 今では、中国でも「医食同源」の方を多く使うらしい。 ロンドンに住んでた時、中華料理店には本当にお世話になったし、確かに、スープには様々な種類があった気がする。 昔、ハーバードのお医者さん達が皆に勧める食事は、野菜のスープだと読んだことがある。 野菜は、ブレンダーでジュースにするより、煮てスープにする方がより多くの栄養素を摂ることが出来るのだそうだ。 更に、そのスープを冷凍すれば、細胞壁が壊れて、解凍して食べる時、栄養素がより沢山摂れるらしい。 皆さんも工夫して野菜スープを作ってみて下さい。 まあ、出てくる人たち皆んないい人で、よろしいんじゃないでしょうか。
派手さはないけどほのぼの!
前知識なしで、なんばパークスのクーポンが切れるので鑑賞。フィンランドで中国人親子が、現れた。ドライブイン食堂の女主人は、ソーセージ定食しかできない。
中国人男性が料理を手助けしたことで、変化が。
中国人観光客がなんか懐かしい!あんなにいたのにね。
内容は、よくある話だけど、中国人俳優がなかなかいいね。漢方を入れた薬膳料理とか、東洋の知恵にみんな喜ぶ。なかなか良かったなあ。
平和でホッとする作品
2019年に「日本鬼子」という映画を観た。日中戦争における関東軍の兵士たちの非道な行ないを、帰還した兵士たち自身が語る。すでに80歳、90歳となっている彼らが共通して話したのは、日本が無条件降伏したあと、中国に残った関東軍の兵士たちは中国軍に捉えられて捕虜となった。当然殺されるか、拷問を受けるものだと思っていた。自分たちが中国人に対してそうしてきたからだ。 ところが周恩来はそうしなかった。日本兵にも人権があるから、大切に扱うように通達を出したのである。兵士たちは衣食住の足りた生活をして、漸く自分たちがどれほど非道なことをしてきたかを自覚する。周恩来は彼らが人間性を取り戻すのを待ってから戦争裁判をした。極刑はなく、大抵は10年か20年の禁固、その多くは満期前に釈放された。 彼らの面倒をみた中国人たちは、自分たちでさえ満足な生活が出来ていないのに、どうして日本兵を厚遇するのかと不満だったらしい。燕雀いずくんぞ鴻鵠の志を知らんや。周恩来の遠大な考えは理解出来なかったのだ。 現代の一般の中国人の中には、周恩来と同じとまではいかないが、視野が広く寛容で懐の深い人物も結構いると思う。本作品のチェンも、人を思いやり、その土地の文化を尊重する礼儀正しい人間だ。 フィンランド人と中国人の仲立ちは双方のつたない英語である。それでも意思は通じる。互いに歩み寄って相手を理解しようとするからである。料理という分かりやすい文化は、言葉がなくても美味しいものは美味しいと分かる。 中国料理は世界三大料理の一つであり、チェンはプロの料理人であり人格者である。流石に本作品はフィンランドとイギリスと中国の合作だけあって、舞台はフィンランドで言葉は英語、主役は中国人とわかりやすい。映像だけでは中華料理の美味しさはいろいろな中華料理を食べたことのある人にしかわからないが、フィンランドの風景の美しさは映像から十分に伝わってくる。清流とそこに棲む魚、森にはトナカイがいて、食べられる野菜はそこら中にある。上海から来たチェンが、ここにはすべてがあると思うのは当然だ。 ストーリーは一本道で起伏も少なく坦々と流れていくが、登場人物に味があって、飽きずに観られる。平和でホッとする作品だ。コロナ禍の時期に観るのに丁度いいかもしれない。
お茶は80度 恋もお茶も沸騰寸前が一番味わい深いのかもね
フィンランドの地方の村で一人の男がバスから降りるシーンから始まる。7歳ぐらいの男の子を連れて。おやまぁ、チャイニーズ?すかんなぁ。入りこめるかな?とちょっと不安な出だし。バス停そばのドライブインの食堂に入る。三十半ばのフィンランド人の女性(シルカ)がひとりで切り盛りしている店。店の客は多くなく、高齢者ばかり。英語でコミュニケーション。中国人と英語でしゃべるのにたいへん苦労した経験から、難しいんじゃないの?とてもスローなスタート。子供は携帯でゲームばかりしている。それにちょっとイラつく父親。真面目で礼儀正しいが、子供にはきびしい父親。子供がコーラを頼もうとしたら、ダメ出し。紅茶だけでずっと粘る。一杯のかけそばか? 男(チェン)はミスター・フォントロンという人物を探しているらしい。とうとう、女主人がお腹減ってない?と声をかける。ソーセージとポテト、野菜のサラダとドイツ料理みたいなメニューしかない。子供はほとんど箸をつけないで、ふてくされている。居眠りしてしまう男。そろそろ、夕方。この辺にホテルはあるかと聞くと、40キロ離れた町にしかないと。もう夕方で子供連れて歩いて行ける訳もない。スマホ持っているのに段取り悪すぎ。そこでシルカは泊まる部屋ならあると、二人を広い敷地のなかの一軒家を貸して、泊めてあげる。
次の日、バスから降りた中国人の団体旅行客が大勢、昼食目的で訪れる。寿司🍣はないのかと添乗員がシルカに尋ねる。
中国人はフィンランドに来てまで寿司食いたいのか?
チャンが添乗員と話して、麺料理を作って出すと宣言しちゃう。え~今から?ひとりで?シルカと近くのスーパーに買い物に行って、乾麺や鳥肉などを大量に購入して、手際よく鳥スープ麺を出す。アイスクリームのデザートも出す。シルカはこんなに売り上げたのは初めてだと喜び、チェンに報酬を渡すが、チェンは「私はコック。あなたたちハッピー。私もハッピー。お金いらない。」と言って受け取らない。
あくる日も中国人の団体を連れて添乗員が来るという。スーパーの食材は買い尽くしてしまった。シルカの運転する車で大きな町のショッピングセンターに買い物にゆく。またしても、大量の食材を買って帰る。ニュニョのバナナも。海老の酢豚風うまそうだった。警官もパトカー止めて、食べに来る。小学校の先生も社会科見学を兼ねて子供を引率してに来る。しかし、ニュニョは子供たちに馴染めない。心配するシルカは自転車を買ってあげようとするが、チェンは自転車は要らないと頑なに拒否。
フィンランドの広大な自然。短い夏の大人の恋物語。トナカイの群れが現れる。きれいな湖畔の釣りのシーンも。釣った魚はヨーロピアンパーチだった。スズキの仲間。淡水魚。釣りが二人の間の距離をぐんと縮める💞白身魚のスープは病気の老人を元気にして、みんなから信頼される。予告編で、「ゲイ以外の白人はこんなもの食べやしない」と言っていた老人たちだ。
老人コンビはチェンをサウナに誘う。サウナの手摺の柵が絶妙に股間を隠す。サウナは湖のほとりにあり、桟橋から湖に飛び込める。また、手作りの大きな筏に乗せてもらって、老人たちと乾杯するシーン。筏から釣り竿を出すもの。アコーディオンの伴奏でチェンが歌う。実に羨ましい。ちょっと、ピーナッツバター・ファルコンを思い出した。筏のエンジンはHONDAだった。あと、醤油はキッコーマンだった。
生理痛のひどいシルカには白菜や生姜に赤いクコの実をたくさん入れたスープを作ってあげる。
チェンの過去は皆、遠慮して聞かない。チェンの妻は自転車に乗っていて、車に轢かれて死んでしまった。上海でレストランを開いていたチェンは男の子(ニョニュ)の面倒をみる余裕はなく、内向的で、偏食(バナナ🍌が主食)。
子供が寝た後でお茶を煎れ、チェンはプライベートなことを聞くがと前置きして(非常に紳士的)から、シルカに You have a man ?と切り出した。
シルカは結婚していたが、7年間子供ができなかったことから、離婚したのだった。元の旦那は再婚して子宝に恵まれたことも心の傷になっていた。
シルカはラテンの歌手が来ることを知り、チケットを買って、チェンを誘う。客がはねた後の店で、ラジカセをかけて、チャンにダンスの手解きをする。緊張してカチカチになるシャイなチャン。ショットグラスがふたつ出てきた。透明な強い酒を注ぐシルカ。先に一気に飲み干す。遅れて、チェン。お約束のむせる場面。笑い合う二人。当日になって、綺麗な花柄のワンピで決めてきたシルカは尻込みするチェンの手を引いて入ってゆく。女性歌手の歌う歌はムードがあって、ラテン音楽やシャンソン風。日の暮れかかった丘の中腹で、ニュニョが子供たちと仲良くしているのを見ながら、ふたりの唇がついにくっついた。
観光ビザの期限が近いのではと警官と老人たちが話していると、動揺してチェンに当たってしまうシルカ。どうなるのか?と不安にさせておいて・・・・
湖畔に豪華な中国レストランが。えっ?龍頭のついた大きな遊覧船。えっ?ずいぶん急に事業拡大したなと思ったら、ニュニョを連れて、中国に旅行に行って、親子水入らず。婚約💍したとフィンランドの仲間にライブ報告。籍を入れれば、永久にフィンランドに居られるね。めでたし、めでたし。
要約すると、中国人の子連れ流れ板がフィンランドで薬膳料理を作って、みんなに感謝されて、バツイチ女性とハッピーになるという話し。原題はポホヤンヨキのマスター・チェン(巨匠のチェン)。ポホヤンヨキは土地の名前。
わりとよくあるストーリーの大人の恋愛映画だった。エンドロールでは中国の制作陣がたくさん。うーん、仕方ないのかな。
最初はちょっと胡散臭いなと思っていたけど、瞼の裏が熱くなっていた。
BGMは雅楽っぽい音やホーミーっぽい音が中心でしたが、楽曲はちょっと、ちあきなおみの曲のようなムードたっぷりだったので、よかったなぁ。
でも、中国の巧妙なプロパガンダのような。そこまで、考えなくてもいいかな? 皆さんどう思います?
いわゆる癒し系。最後、わかりにくいところは事前の情報必要かも(長文)。
今年34本目(合計101本目)。 もう、映画のタイトルからこんな内容ですよっていうのがわかるような内容ですね。 ほとんどネタバレという概念が存在せず、最初に少し不穏当な表現が出るものの、そのあとは仲良く進み暴力シーンも(ほぼ)ないです。将来、料理店で働きたいと思っているお子さん(男の子でも女の子でも)と一緒に行かれると良いかな、と思います。 他の方も書かれていましたが、中国料理(とはいえ、日本で普通に想定するラーメンや麻婆豆腐、餃子などは出てこない)に関しては日本は隣国であること、医食同源の考え方もある程度実践されている(学校給食など)ことから、アジア圏以外の方から見た場合とは印象はやっぱり違いますが、それを言い始めると換骨奪胎になりますからね。 ちなみに、トナカイ料理は実際に存在するようです(北海道でも一部、名産としてソーセージ等売られている模様)。 ----------- ▼ エンディング前のわかりにくいところ(星空を見上げるシーン) ・ 短いところですが、なかなかにマニアックで、かつ、理論的に怪しいところが…。 順に行きましょう。「あれがアークトゥルス、一番明るい星なの。そして、あっちはカペラね。」という部分。この部分です。日本では星座は小学4年でしか習わず、いずれも1等星ですが小学理科で習うようなものではないので難解です。 (大阪市基準) アークトゥルス:うしかい座のアルファ星、-0.04等 2月20日23時ごろから カペラ:ぎょしゃ座のアルファ星、0.08等、2月20日20時ごろから。 (参考 シリウス:おおいぬ座のアルファ星、-1.47等、2月20日20時ごろから) さて、フィンランドは日本よりさらに高緯度で北緯60度ほどです。こうなるといわゆる白夜現象が起きるので、あたりの風景から日時を特定することはできません。しかし、この3つの星が見えるときには、通常シリウスは高さ10度ほどで見えます(フィンランドの北緯60度基準、プラネタリウムソフトで確認)。すると「アークトゥルスが一番明るい」は明らかに誤っています。 一方、高さ10度ほどしか上らないので(日本のカノープスの扱いに近い)、それを除外して考えると、アークトゥルス(-0.04)←ベガ(0.00)←カペラ(0.08) の順で、上記の通り、シリウスは見えないと考えると、カノープス(会津若松市より南でしか見えない)・ケンタウルス座アルファ星(日本では、沖縄でしか見えない)を除けば、確かに北緯60度ではアークトゥルスが「最も明るい」ことにはなります。 しかし、ヒトの視力は明るさ差0.7がないとその明るさを識別できません(好条件な場合の理論的な話。通常は現代人の視力は落ちているので、この理論通りにならない)。 そうすると、0.7等差がないと明るさを区別できないのに(この考え方では、アークトゥルス(-0.04)とアルタイル(0.77)が、ほぼ0.7等差です)、わずか0.12等級差で「アークトゥルスが一番明るい」というのは、この条件では積極的な意味が見出しにくいところです(フィンランドの小学校の教科書にそんな細かい僅差で一番明るいとか書くの?)。 ちょっとこのあたり、説明が怪しいです(どちらに解釈してかなり微妙な発言)。かつ、アークトゥルスもカペラもどちらもそうそう学習するような内容ではないので(実際、中学入試の天文問題に出るレベル。1等星とはいえそこまで習わない)、日本の天文学習の現状を考えると(事実上、高校地学は存在しない科目と化している)、ここはちょっと字幕の丁寧さがないかなと思いました。 ※ なお、映画には直接この天文についてこのあと発展する要素が一切ないのに、ここだけ妙にマニアックなことを言ってくるので、「え?エンディング近くになってまた固有名詞??」という方も出てくるかな…とは思います。 評価は下記の通りです(4.9を5.0まで切り上げています)。 ----------- (減点0.1) 上記の点が明確に気になった(「一番明るい」と「シリウスを除外するとするなら、わずか0.12等差をどうこう言うのか?)点です。しかも、この映画で星を見ること自体にあまり意味がなく混乱しかねない(字幕も日本の今の天文を取り巻く環境を考えると不親切な)点。ただ、字幕作成者には工夫の余地はあっても内容を変更する権利は当然なく、もとの怪しい発言は主人公の実際の発言なので、ここは「わかればよい」という点で0.1どまりにしました。 -----------
【”スールキートス!” ラップランドの広大な風景とトナカイ、フィンランドの心優しき人々の姿、美味しそうな広東薬膳料理に心満たされる作品。】
◆御存じのとおり、ミカ・カウリスマキ監督は、荻上直子監督のフィンランドでの変名である。 そして、劇中にて供される実に美味しそうな広東料理、薬膳料理のフードコーディネーターは勿論、飯島奈美さんである・・・。 等と書くと、10人に1人くらいは信じて頂けそうな良き風合の癒し系の映画である・・。 <Caution! 以下、一部内容に触れています。> ■今作の印象 ・中国人のチェン(チュー・バック・ホング)と子供のニュニョが、”ある人”を訪ねて、シルカ食堂にやって来るシーン。 店の女主シルカ(ルーカス・スアン)に尋ねるが、”そんな人、知るか!”とは、言われずに、知らないけれど・・、と店の常連客のお爺さんロンパイネンとヴィルブラに聞くも、やや胡散臭げな表情を浮かべながら知らないと言われる。 - 曰くありげな、中国人親子に対する、ロンパイネンとヴィルブラ達や、周囲のフィンランド人たちのチェンたちへの接し方が、彼が作った広東料理の美味さも懸け橋となり、徐々に温かいものに変容して行く様が良い。 (これが、四川料理だったら、随分作品展開が違っていた気がするなあ・・。こんな、辛いもん食えるか! で大乱闘・・。すいません・・。) 特に、常連客のお爺さんロンパイネンとヴィルブラの姿が良い。 チェンが作る広東料理に身も心も癒され、”トニャカイ料理!”などと、注文の際に嬉しそうに叫んでいるし・・。- ・チェンとロンパイネンとヴィルブラが、フィンランド式サウナに入っているシーン。そして、そのまま子供の様に、湖で泳ぐシーン。 ロンパイネンとヴィルブラ達が、チェンを湖に巨大な筏に乗せ、酒を酌み交わすシーン。亡き妻を想うような朗々と湖上に響くチェンの歌声。 - とても良いシーンであると、私は思った。- ・母を失った哀しさを抱えるニュニョも、シルカに自転車を買って貰ったりして、徐々に地元の子供達とも交流していく姿。 - ずっと、TVゲームをしていた姿から、自転車で走り回る姿へ。- ・チェンが、妻に送った大切なモノをラップランドが見通せる丘に埋めるシーン。 - 彼の決意が、分かったシーンである。そして、このシーンはラストにも効果的に効いてくる。上手い構成である。- ・チェンと、シルカの仲も、お互いの辛い過去を話すことで、一気に距離が縮まり・・。 <とても、好きな風合の作品。 大事件が起こる訳でもないし、ストーリー展開も読めるのであるが、国境を超えた友情、愛情とでもいうのかな・・。 ”他者に対して”フィンランドの人々の、最初は素っ気ないが、一度受け入れると、トコトン面倒を見る性格が”世界で一番幸せな国”になっている国の理由ではないのかなあ、と思った作品。 チェンが、ラップランドの広大な風景を見ながら、 ”ここには、全てがある。” と言った気持ちが分かる気がした作品でもある。> ■映画のパンフレット問題 - 皆さんは、映画鑑賞後、パンフレットを購入しますか? - 1.パンフレットを買う金が有ったら、もう一本映画を観るね! 2.気に入った映画のパンフレットは買うね! 3.観た映画のパンフレットは(つまらなかった映画も含めて)全部買い! 4.観た映画はパンフだけではなく、特典付きのDVDまで購入するね! ・愚かしき私は家人から”断捨離攻撃””を受けているにも関わらず、2000年~2008年までは、3.であった。 だが、流石にパンフレットが4桁になった時点で、”これは拙い。書庫に入らない・・、”と気付き、3百枚越えのCDと、600冊の本を古本屋で売却した。 (全て、いざとなったら再購入できるもの。つまり、私の本棚には、ほぼ絶版本しかない。 だが、映画パンフレットって、売れないんだよねえ。何故なら再購入出来ないから・・。) そして、パンフレット購入スタイルを2.に変更した・・。 だが、今週、既に2冊も購入してしまった・・。 我ながら、意志薄弱なおバカである。
のんびりムードに癒される。ほのぼの映画。ストレスフリー。大人の方どのような立場の方でもオススメします。【iPad、使いにくいなぁ!もう!文章終わり尻切れトンボですいません。】
話は単純明快。上海のプロの中華料理人が事故死した無き妻の想いを抱きつつ、一人息子とフインランドのラップランド地方の小さな村へ。恩返しのためか、漫画の「ザ・シェフ」ばりに薬膳調味料と料理用包丁携えて。目的は妻の事故死後 身を持ち崩した苦しい時に金策含め助けてくれたフィンランド人に、お金を返すため、わざわざ遠方からその人の故郷へ。 でもねぇ 当然その人は お金は返ってこなくても良いと思っていたであろう距離感だねぇ。 どうでも良いけど、中華料理。辛い四川、宮廷、見栄えの北京、素材重視淡白な広東、甘く濃厚な上海料理に分かれるって今ネットで知ったよ。 そうして、のどかな大自然の中の小さな村のバス停に降り立つ。そこには食堂があった。食に無頓着なフィンランドらしく。メニューはソーセージとじゃがいものほぼ、ビュッフェスタイル。適当に盛って出されるのだった。恩人を尋ねるも、店を一人で切り盛りする女主人も、客も知らない。おかしい?確かにこの村あたりに・・・ まぁ長々と書いていますが、この映画あらゆる意味で楽でストレスフリー。初日なのに大スクリーンで客ちょうど10人は寂しい。話は2行後に続きますが・・・ ぜひお気軽にオススメします。 困窮して、その女主人の家の離れに泊めてもらい、ある事をきっかけに、店のコックとして中華料理の腕を振るうことと引き換えに、しばらく滞在し恩人探しの協力を得ることに・・・ 最初は警戒して、訝しく見ていた常連の爺さん達らも、その料理の美味さばかりか健康に良いことに驚き、主人公の人柄もありだんだん主人公は村に馴染んでいく。一人息子も最初は森に迷い込んだり、心配させるが徐々に女主人にも心を開いていく当然、死別と離婚の違いはあるが独身同士の主人公と女主人も良い感じに・・・ ここまでストーリー書くなよと思った人。実は詳しく書いてもネタバレではなく問題ないのです。この映画、事前にあらすじ入れても、なんの前提情報なくても双方ゆったりと癒されるそういう映像なんですよ。 夜でも明るいフィンランドの夏の白夜。湖から、森林、小高い山、平原、壮大な大自然。昼からサウナ入ってビール飲んでスローモードの老人達。なーんにも物質的な豊かさはないけど、いいじゃないですか、皆んなイラついたり、急かしたりしない警察官も食料品店のレジものんびり大雑把。羨ましい。 ただ一つ北欧に欠けていたのが「食」。ただ腹詰めればいいという、繊細さに欠けるジャンキーな料理。 映像にふんだんに出ていた中国数千年「医食同源」主人公の作る料理は引き立つばかりで、中華食いたくなった。 もっとも「満漢全席」じゃないけど、主人公は高級料理店出身。一般人レベルなら日本の方が衛生的にもバラエティ的にも日本の食の方が中国を凌駕するけどねぇ。やっぱり高級料理店レベルだと中国の方が圧倒的に奥が深いねぇ。 高齢化しているけど悪い人のいない架空の村。私もその雄大な自然に溶け込みたいと思った。時差早朝出勤で疲れた私にも優しい映画。変にストーリの理解に悩んだり、変な緊張感、ストレスの無い作品。 敢えて言えばフィンランドのだいたいの位置と白夜くらいはチコっとだけ前提知識。 あと、いきなりソーセージとジャガイモ山盛りの世界から、中国うん千年へは無理があるかも。胃が驚いて下痢しちゃうかも。あと、プログラム買ってみたら、今はコロナでわからないけど、実際に中国人旅行客、フィンランドに多いらしい。ちとマナーが気になる。コレは一言余計か?り
羨ましいばかりの異文化交流
主人公の中国人チェンは幼い子供とフィンランドにとある人物を探し訪ねる。その際に寄った食堂を営むシルカとは幸運な出会いとなりしばらくの間シルカの空き部屋を貸してくれる事となる。
チェンは以前中国で高級レストランを営んでた事もあり腕前も一流である事をいかし中華料理をメニューの一部として振る舞う。
当初は現地の人から中華料理はゲイが食べるものだとバカにされ拒まれる事もあったが、いざ口にするととても美味しくそして健康への良い影響を与えることを実感され現地の人から受け入れられる。
料理以外にも中国人らしい礼儀作法やら義理堅いところ、シャイなところなんかもチェンの良さとして描かれてシルカをはじめとした現地の人に好意的に受け入れられる。
後半はサウナやら広大且つ美しい自然の大地などフィンランドの良さが描かれる。フィンランドのダンスや歌など共に奏で踊りチェンもまたフィンランドの良さを存分に感じ楽しむ。
後半にチェンがフィンランドを訪れた理由として、妻を失い、その際自暴自棄になり危険なところからお金を借りどん底にはまっていた。その際に融資してくれて人生を立て直すきっかけを与えてくれたフィンランド人に逢いにそしてその時のお金を返すのがフィンランドを訪れた理由だと明かす。
最後はチェンとシルカは結ばれ幸せな結末で作品は終わる。
まぁチェンが訪れた理由がストーリーに物凄く意味があるわけでもなく、また最後のハッピーエンドなんかはありきたりな展開だけど、この作品では中国とフィンランドの良さ、そして互いの異文化交流がシンプルに美しく描かれていたと思う。
まぁ一応最初は中国料理はゲイが食うものだとバカにするシーンはあるけど、それ以外は特に目立って差別するシーンとか攻撃的なシーンはなく安心して見られる。
特別目新しい描写があったりする作品ではないけど、安定して異文化交流の良さをゆっくりと見られる作品だと感じた。
日本人である以上、中国文化への目新しさとかはあまりなかったのはまぁそこは仕方のない事か。
あとは少し僕が体験して思う中国人像とは異なる部分も少しあったかな。
鑑賞前からハードルを上げ過ぎると退屈に感じる作品にもなりうるが、いい意味で大きな期待せずラフに見るとホッコリできる作品だと思う。
実際にこういう異文化交流ができるのは憧れ、とても羨ましく思う。
まさに医食同源
ソーセージ、マッシュポテト、生野菜…食堂のメニューは料理と呼ぶ程でもないシンプルさ。脂質も糖質も塩分も多そうだ。
ゲームばかりしていて、出されたフィンランドの食事を食べない息子はなんてわがままな!と思ったけど、だんだん友達もできて変わってゆく姿にホッとした。
中華でも油ギットリな庶民的中華ではなく、とても上品な宮廷料理はヘルシーでまさに医食同源。
人を幸せに出来る料理っていいなあ!
子どもを寝かしつけてからの白夜のデートも不思議な感じ。明るい夜だから2人の関係にもごまかしは効かない。
極夜の季節の都会のヘルシンキしか知らない私には田舎の風景は全て新鮮でした。
Win-Win
34本目。 最初の製作会社、役者名、原題を見て、あれ中国絡み? まあ実際そうだったし、悪くはなかったけど、フィンランドと中国がWin-Winな映画。 何かなあ、合わないんだよな風景と料理が。
食って凄い... 人を笑顔にさせる。
海外で何の当てもなく人を探すなんて、途方もなく、しかも子供連れって...? そんな無謀としか言えないストーリーを許せる余裕は自身にあるのか?
"優しさの証明" を問われているようで
映画のオープニングで登場した湖に広がる緑豊かなフィンランドのラップランドの人の手が入っていない大自然を背景にゆっくりと急がず映し出された美しい風景を見たとたん、何かいい話にめぐり逢い、心温まる映画を見る機会を与えられたのかもしれないと期待するのはいけないことなのか?
あたしがもし、下品にこの映画にツッコミでも入れたら、あんたたち、失礼皆様が嫌いになるよりあたしが嫌な思いになるかもしれないって... コ ・ ワ ・ イ ⁉
そらきた! 映画も始まってから17分過ぎに起こるチョとしたイベントらしきもの
いきなり10数人の中国人ツアー客がシルカの営むレストランに押し寄せてきて、彼女がどうしようもなく途方に暮れているところを前日に見知らぬ東洋人親子に泊まる場所を提供してくれたよしみやその恩返しからチェンは料理を手際よく作り、次の日の注文も受け段取りも取りつける... すごくいい滑り出しのプロットとして、良く描けている。 と思いきやそんなことは天地がひっくり返っても起こりやしない。まして相手は中国人 常識として... 何故か⁉
決まった場所や土産物屋に連れまわすツアーガイド... 表向きはツアー客の安全確保や迷惑行為の防止と謳っているけれども実際のところはちがう。今、現在は知らないけど昔はツアーガイドにはバックマージンとかコミッション・フィーという店からのキックバックがあった。売り上げとか、その店に行っただけでツアーガイドにはお金が支払われるシステムのこと。
それと一番してはいけないことをこの映画製作者は行っている。
見知らぬレストランでツアー客に食事させた事... つまり食中毒の問題。
ガイドの一番いやな事は親会社である旅行会社にクレームをつけられるところにある。中国の人なら関係ないって⁉
あたし、やらかして、言ってしまった。また悪者ね? おバカな話しは放っておいてと
WELCOME TO SANTA CLAUS VILLAGE IN ROVANIEMI
– OPEN EVERY DAY OF THE YEAR
サンタクロースグリーティングセンターって聞いたことのある人はオープンで優しい人なのかもしれない... だって、サンタクロース村にはサンタクロース宛に、毎年70万通を超えるお手紙が届き、その返事がまた世界中に届けられるから。
サンタクロースの所在地であるフィンランド北部にあるラップランドが今回の映画『世界で一番しあわせな食堂』の舞台となっている。
忌まわしいCOVID-19禍の世界でなければ... ラップランド州の州都であるロバニエミは北極圏の入口から南へわずか8kmに位置する人口約3万5千万人の町に年間50万人以上の旅行者が訪れる観光都市と言われ、オーロラ観光もできるはずが、今はそうもいかない。
"季節は冬夏冬冬" と冗談も出るほどの北極圏に近い都市は当然、日の昇らない極夜の冬は長く、その正反対に日の沈まない白夜の夏はあっと言う間に過ぎ去ってしまう別世界という事を考えると...
"Fish out of water" コメディ
ジャンルをさらに細かく分類付けした意味の言葉:サブジャンル... コメディのサブジャンルである "Fish out of water" コメディが本作品『世界で一番しあわせな食堂』にあたる。
映画製作が始まって以来、つまり映画の黎明期から世界的に人気のあるコメディサブジャンルとして確立していて、例を挙げるなら、『バック・トゥ・ザ・フューチャー(1985)』、『ビッグ(1988)』、『カラー・オブ・ハート(1998)』他にもたくさんあるけれどもこれらのコメディ映画に共通する点は、キャラ(魚)が通常の環境(水)の外にいるシチュエーションという事... そんなの常識さ、なんていう御仁には関係ないさぁ~ってか⁉
『バック・トゥ・ザ・フューチャー(1985)』は若いマムとダディがいる過去に戻り、『ビッグ(1988)』は子供が大人の世界に、『カラー・オブ・ハート(1998)』はモノクロの世界へ... そして本作品『世界で一番しあわせな食堂』は暖かい上海から来た東洋人が冬は極寒のフィンランドの片田舎のレストランでオーナーのどちらかというと料理下手のシルカとの奇遇な出会いから地元の人たちとのゴールデン・ゲート・ブリッジ級の交流を描いたフィンランドの初夏を思わせる心の雪解けのようなポッカポッカな物語となっている。
A healthy mind in a healthy body.「健全な精神は健全な肉体に宿る」... 今話題のスポーツ憲章か⁉ なんてね。 本当は第三帝国の時代に言葉の意味がスローガンに変えられていて
You ought to pray for a healthy mind in healthy body.「願うならば、心身ともに健康であることを願うほどにしておきなさい(したほうがいい)」なんて古代ローマの皮肉屋の詩がルーツとされ本当の意味となっている⁉
スープか前菜の話としてぜい肉が振り子のようにプランプラン動く地元のオッちゃん達の偏った食事から健康を失っているところをミスター・シェフことチェンの冴えた料理の腕前から食べてもおいしく、見た目もにインスタ映えするほどプレイトには立体的で奇麗に美しく、そして古文書からの薬膳は徐々にオッちゃん達の健康を取り戻していく。それと同時にチェンが彼らのコミューンに溶け込んでいく様子を急がず、焦らず、心地良く、ミカ・カウリスマキ監督はフィンランドの大自然と対極にある究極の小宇宙である料理のアントレとを暖かいフィンランドの世界を穏やかに映し出している。
そして映画の前半で、チェンと息子のニュウニュウとのよそよそしい関係やニュウニュウの独りぼっち観が、シルカの持っている人に対する心の温かさが、彼の心の氷を溶かし、豊かにするあたりは、この映画のメインディッシュと個人的には捉えている。
何よりも心身ともに健康であるという、誰もが持ち得て、許されるわずかな幸せと希望という喜びが大切であることを温かく見守れる映画となっている。
コメディとの繋がりはないけれども映画が始まった瞬間にアメリカ国立フィルム登録簿に登録されている西部劇の名作中の名作、ジョージ・スティーヴンス監督、アラン・ラッド主演の映画『シェーン』を反射的に思い出している。主演を務めたアラン・ラッドの数奇な運命... ジョージ・スティーヴンス監督の名作『ジャイアンツ』には本当はジェームズ・ディーンではなくてアラン・ラッドがジェット・リンク役をするはずだったけれど... 1964年に彼は亡くなり、、ジェームズ・ディーンは『ジャイアンツ』が公開された前年に他界している。
"You ought to pray for a healthy mind in healthy body" 前述のこの言葉がアラン・ラッドの夭折に改めていたく響く... 168cmと背が高くなかったけれどスクリーンでは大柄に見え、低音のボイスの彼... シェーンと牧場主の息子ジョーイとの関係を見ていると、この映画の息子のニュウニュウとチェンとの関係がフィンランドの夏の濃い緑の木々のように育っていき、またここで暮らす人たちの素朴さとフトコロの深さと心の豊かさが羨ましくも魅力的に描いている映画に会えて、しかも笑顔で観ることができた事へ感謝したい。
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