「お茶は80度 恋もお茶も沸騰寸前が一番味わい深いのかもね」世界で一番しあわせな食堂 カールⅢ世さんの映画レビュー(感想・評価)
お茶は80度 恋もお茶も沸騰寸前が一番味わい深いのかもね
フィンランドの地方の村で一人の男がバスから降りるシーンから始まる。7歳ぐらいの男の子を連れて。おやまぁ、チャイニーズ?すかんなぁ。入りこめるかな?とちょっと不安な出だし。バス停そばのドライブインの食堂に入る。三十半ばのフィンランド人の女性(シルカ)がひとりで切り盛りしている店。店の客は多くなく、高齢者ばかり。英語でコミュニケーション。中国人と英語でしゃべるのにたいへん苦労した経験から、難しいんじゃないの?とてもスローなスタート。子供は携帯でゲームばかりしている。それにちょっとイラつく父親。真面目で礼儀正しいが、子供にはきびしい父親。子供がコーラを頼もうとしたら、ダメ出し。紅茶だけでずっと粘る。一杯のかけそばか? 男(チェン)はミスター・フォントロンという人物を探しているらしい。とうとう、女主人がお腹減ってない?と声をかける。ソーセージとポテト、野菜のサラダとドイツ料理みたいなメニューしかない。子供はほとんど箸をつけないで、ふてくされている。居眠りしてしまう男。そろそろ、夕方。この辺にホテルはあるかと聞くと、40キロ離れた町にしかないと。もう夕方で子供連れて歩いて行ける訳もない。スマホ持っているのに段取り悪すぎ。そこでシルカは泊まる部屋ならあると、二人を広い敷地のなかの一軒家を貸して、泊めてあげる。
次の日、バスから降りた中国人の団体旅行客が大勢、昼食目的で訪れる。寿司🍣はないのかと添乗員がシルカに尋ねる。
中国人はフィンランドに来てまで寿司食いたいのか?
チャンが添乗員と話して、麺料理を作って出すと宣言しちゃう。え~今から?ひとりで?シルカと近くのスーパーに買い物に行って、乾麺や鳥肉などを大量に購入して、手際よく鳥スープ麺を出す。アイスクリームのデザートも出す。シルカはこんなに売り上げたのは初めてだと喜び、チェンに報酬を渡すが、チェンは「私はコック。あなたたちハッピー。私もハッピー。お金いらない。」と言って受け取らない。
あくる日も中国人の団体を連れて添乗員が来るという。スーパーの食材は買い尽くしてしまった。シルカの運転する車で大きな町のショッピングセンターに買い物にゆく。またしても、大量の食材を買って帰る。ニュニョのバナナも。海老の酢豚風うまそうだった。警官もパトカー止めて、食べに来る。小学校の先生も社会科見学を兼ねて子供を引率してに来る。しかし、ニュニョは子供たちに馴染めない。心配するシルカは自転車を買ってあげようとするが、チェンは自転車は要らないと頑なに拒否。
フィンランドの広大な自然。短い夏の大人の恋物語。トナカイの群れが現れる。きれいな湖畔の釣りのシーンも。釣った魚はヨーロピアンパーチだった。スズキの仲間。淡水魚。釣りが二人の間の距離をぐんと縮める💞白身魚のスープは病気の老人を元気にして、みんなから信頼される。予告編で、「ゲイ以外の白人はこんなもの食べやしない」と言っていた老人たちだ。
老人コンビはチェンをサウナに誘う。サウナの手摺の柵が絶妙に股間を隠す。サウナは湖のほとりにあり、桟橋から湖に飛び込める。また、手作りの大きな筏に乗せてもらって、老人たちと乾杯するシーン。筏から釣り竿を出すもの。アコーディオンの伴奏でチェンが歌う。実に羨ましい。ちょっと、ピーナッツバター・ファルコンを思い出した。筏のエンジンはHONDAだった。あと、醤油はキッコーマンだった。
生理痛のひどいシルカには白菜や生姜に赤いクコの実をたくさん入れたスープを作ってあげる。
チェンの過去は皆、遠慮して聞かない。チェンの妻は自転車に乗っていて、車に轢かれて死んでしまった。上海でレストランを開いていたチェンは男の子(ニョニュ)の面倒をみる余裕はなく、内向的で、偏食(バナナ🍌が主食)。
子供が寝た後でお茶を煎れ、チェンはプライベートなことを聞くがと前置きして(非常に紳士的)から、シルカに You have a man ?と切り出した。
シルカは結婚していたが、7年間子供ができなかったことから、離婚したのだった。元の旦那は再婚して子宝に恵まれたことも心の傷になっていた。
シルカはラテンの歌手が来ることを知り、チケットを買って、チェンを誘う。客がはねた後の店で、ラジカセをかけて、チャンにダンスの手解きをする。緊張してカチカチになるシャイなチャン。ショットグラスがふたつ出てきた。透明な強い酒を注ぐシルカ。先に一気に飲み干す。遅れて、チェン。お約束のむせる場面。笑い合う二人。当日になって、綺麗な花柄のワンピで決めてきたシルカは尻込みするチェンの手を引いて入ってゆく。女性歌手の歌う歌はムードがあって、ラテン音楽やシャンソン風。日の暮れかかった丘の中腹で、ニュニョが子供たちと仲良くしているのを見ながら、ふたりの唇がついにくっついた。
観光ビザの期限が近いのではと警官と老人たちが話していると、動揺してチェンに当たってしまうシルカ。どうなるのか?と不安にさせておいて・・・・
湖畔に豪華な中国レストランが。えっ?龍頭のついた大きな遊覧船。えっ?ずいぶん急に事業拡大したなと思ったら、ニュニョを連れて、中国に旅行に行って、親子水入らず。婚約💍したとフィンランドの仲間にライブ報告。籍を入れれば、永久にフィンランドに居られるね。めでたし、めでたし。
要約すると、中国人の子連れ流れ板がフィンランドで薬膳料理を作って、みんなに感謝されて、バツイチ女性とハッピーになるという話し。原題はポホヤンヨキのマスター・チェン(巨匠のチェン)。ポホヤンヨキは土地の名前。
わりとよくあるストーリーの大人の恋愛映画だった。エンドロールでは中国の制作陣がたくさん。うーん、仕方ないのかな。
最初はちょっと胡散臭いなと思っていたけど、瞼の裏が熱くなっていた。
BGMは雅楽っぽい音やホーミーっぽい音が中心でしたが、楽曲はちょっと、ちあきなおみの曲のようなムードたっぷりだったので、よかったなぁ。
でも、中国の巧妙なプロパガンダのような。そこまで、考えなくてもいいかな? 皆さんどう思います?
おはようございます。
小籠包、5箱ですか😁
その意思疎通のインチキさも中華料理店って感じですね。
ちゃんと人の話、聞いてない。
間違っても、あなたのせい、みたいな😁