「懐かしのビー玉」Swallow スワロウ kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
懐かしのビー玉
夫は将来のCEOを約束されるほどビジネスで成功したエリート。郊外の邸宅で何不自由なく暮らせるはずだった妻ハンターだったが、妊娠してから孤独感が高まり、ついつい異物を飲み込むようになってしまう。
夫が留守の間、暇があるとついスマホのゲームをしてしまうハンター。俺だったらビー玉で遊んじゃうけどな・・・などと考えつつ、驚きのビー玉飲み込みもフロイトの言う口唇期だとか赤ちゃん返りなんじゃないかと思ってしまったけど、異食症という病気があるんですね!知らなかった。氷食症からはじまったり、妊娠期における鉄欠乏症が原因の摂食障害の一種だとか。
精神科医に診せたり住み込み看護師をつけたり、夫の愛情だって薄いわけじゃなく、たまたま自己中心的な対応だったりしただけ。のちに彼女の深層心理にある出自を聞かされたのはショックだったろうし、もう妻への対応ができない状況に・・・
女性の自立がテーマでもあるようだし、宗教的保守による妊娠中絶禁止という問題も提示している。レイプされて妊娠しても中絶できない!などといったアメリカを分断するかのような政治的争点。そうしたレイプの悲劇がハンターのトラウマともなっていたが、終盤にはその実父と対峙。これで吹っ切れるかと思ったら、最後は予想外の方向に行ったので、映画ってあなどれないよなぁ~としみじみ。
シリア出身の看護師が言う「生き抜くことばかりで考える暇なんてない」ことも一つの解決策なんだろうけど、夫の同僚でハグ魔の男も解決策の一つだったのかも・・・
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