「こんな女性の自立の描き方もある」Swallow スワロウ kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
こんな女性の自立の描き方もある
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裕福な生活をしている専業主婦のハンターが、異物を飲み込んでしまう病にかかってしまう話。
大きな家に住み、夫は父の経営する会社で史上最年少で役員に昇格、そして第一子を妊娠という表面的には幸せこの上ない環境だが、そうではないというシーンをうまく挟み込んでくる。とっても微妙な違和感を覚える程度のエピソード。でもそんな小さな積み重ねが人を追い込むということだ。
異物を飲み込むハンターは苦しそうで痛々しいのにとてもワクワクしていた。何者でもない自分が何かをやり遂げた達成感みたいなものに満たされていたからかもしれない。それらはハンターの出生に関わるトラウマだったことが明らかになるのはなかなかスリリング。
中絶しなかった母親とは違う道を歩み、母親をレイプした実父に存在を認められ、初めてハンターは自立できたということか。トイレで見せた晴れ晴れした表情は、中絶した直後なので若干後味は悪いが、前向きな結末だった。
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