「よいこは真似しちゃ駄目ですよ」Swallow スワロウ カールⅢ世さんの映画レビュー(感想・評価)
よいこは真似しちゃ駄目ですよ
幼顔の主人公ハンターは豪奢なお屋敷に住む若奥様。シルクのパジャマが羨ましい。会社経営者の御曹司と結婚。その家族は彼女自身への関心はほとんどない。身分違いの結婚の落とし穴に嵌まってしまった。始終下に見られるストレスで、妊娠初期から異食症を発症してしまいます。きっかけは姑から渡された一冊の妊娠中の生活読本。これに書いてあった「思ってもみなかったようなことをはじめてみましょう」に目が行ってしまった。
最初はガラスのビー玉。これは下からすんなり出ます。洋式トイレをゴム手袋して回収。洗って、アクセサリー置き場に戻します。次は壁ピン📌。これは肛門を傷つけ、トイレに鮮血が。折悪く、旦那が会社の同僚たちを連れてご帰宅。スカートについた一滴の血痕を洗っていると、ほろ酔いの社員ひとりが近づいて来て、「僕を抱きしめてください」という。「私は人妻なのよ」「キスするほどは酔っていないけど、バグしたいぐらいは酔っている。寂しいんだ。」彼女はこれを受け入れる。ふたりは抱擁をかわす。疎外されて、寂しい彼女。次第にエスカレートして、金属製のクリップや単3電池などを飲み込み、妊婦検診の超音波検査の際に見つかってしまう。内視鏡で取り出され、事なきを得るが、精神科医を紹介されることに。しかし、その一方で若旦那は家でパーティーを催し、社員などに彼女の異食症を話してしまう。シリア人の男性介護師もお目付け役に雇われる。逃げ場のない彼女がベッドの下に隠れているのを見つけて、砲弾が飛び交う戦場では些細なことに気を病むゆとりさえないと諭しながら添い寝している間に彼は寝てしまい、彼女はその間にマイクロドライバーを飲み込んでしまう。異物は外科的に頚部を切開して取り出される。とうとう一家の最終決定は精神病院に入れて分娩まで管理するしかないということに至る。そこで、彼は彼女を裏口から逃がす。ヒッチハイクをしながら、実家の母親に電話。自分の居場所がないことを思い知った彼女は自分の母親をレイプで孕ませた男の家へ。母親の名前を聞き、彼女の存在を悟った男。言い訳の内容は、当時は全能感に支配されていて、自分のすることに罪悪感が全くなかったという子供じみたもの。刑務所での服役中に暴行を受け、人工肛門になってしまったと告白。彼女は黙ってその場を立ち去った。堕胎薬を処方してもらい、ショッピングモールのトイレで流産する。何もなかったかのようにトイレを立ち去る。
時間の経過からすると、そんな堕胎は無理な週数でしたが、目をつむりました。
そのあと、エンドロールの背景にはトイレを出入りするたくさんの若い女性たちの映像と女性を応援する歌詞の曲が流れて映画は終わる。
お前を拾ってやったんだから、もっと恩を感じろと言った御曹司のセリフがむなしい。
若いんだからいくらでもやり直しはきくと応援する映画なのかなと。そうでもなければ、希望の光がありません。
元旦からかわいそうな女性の映画を見てしまいました。バルト9のシアター8はかなりの入りでした。新宿駅はガラガラなのに。