「日本の戦後は全く終わっていない」めぐみへの誓い やまねこさんの映画レビュー(感想・評価)
日本の戦後は全く終わっていない
私のレビューがこの映画を鑑賞するきっかけになれるかはわからないが正直に書く。
映画を観終わり「日本の戦後は全く終わっていない」という再認識をした。
私はポケモンでも泣く人間だが、この映画は「泣いてはいけない」という思いで観た。
泣くということはそのまま自分の中の感情を流してしまうからだ。
これは感情に流されず、冷静に判断して何としても解決しなければならない私たち国民の共通の課題だからだ。
だから私は悲惨な拉致の体験を聴いても「泣かない」と決めている。
その代わり「忘れない」と固く思っている。
この映画を観て「泣いちゃいけない」とずっと思っていた。
本当に泣きたくても泣けない人が沢山いると思うからだ。
ただ最後にガマンができなくて、画面が涙でにじんだ。
泣いてごめんなさい、と思っていた。
歯を食いしばって頑張っている人たちが本当のうれし涙で終われる日まで
私はもう泣かないと思う。
内容は拉致を知らない人には衝撃的だと思う。
知らない人にこそ、観てほしい。
スパイ役の大鶴義丹さんは素晴らしい演技をしたと思う。
もし感情移入するとすればいろんな人の心を利用する「本当に酷い人」だ。
ただ彼からはまるで「俺こそがこの悪役を完璧に演じなければいけない」という覚悟を感じた。
その意味では最高にかっこよかった。
優しい横田滋パパ。聡明な横田早紀江ママ。
この二人の夫婦の歩んできた人生は二人にしかわからない愛があると思った。
その他の俳優さん方も一人一人がこの役に魂をかけて演じられている様子が
感じられる、熱い映画だと思う。
小さな劇場もいいもんだ。そこにしかない歴史の空気感がある。
是非足を運んで観てほしいと思う。
拙い文章で失礼しました。