KCIA 南山の部長たちのレビュー・感想・評価
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事実を元にしたフィクションですが、当時のKCIAて概ねこんな感じだ...
事実を元にしたフィクションですが、当時のKCIAて概ねこんな感じだったんだろう。人は恐怖で縛る方も縛られる方も人間性が欠落し、やがて恐怖が無意味になるなんて皮肉…
骨太でズッシリと重厚な作品です。
なかなか重く硬い感じでちょっと腰が重かったんですが、良い映画って感じでハズレも無さそうなので観賞しました。
で、感想はと言うと、良い映画と言うよりかは骨太でドッシリ。観応えのある作品。
いや〜韓国の歴史、怖ええな〜って思いましたw
韓国で実際に起こった実話を元にしていると言う事で全編通して見所タップリですが、これでもかこれでもか!と全編重いので些か疲れるw
また、韓国の歴史をある程度分かってないと楽しめないかな〜とも思います。
大統領直属の諜報機関、中央情報部、通称KCIAの圧倒的な影響力と政治の暗部と言うか、裏側が凄い。
韓国に限らず、日本も含め諸外国でもおんなじ事があると思うんですが、物語で描かれている限りでは果てしなくドス黒いんですよね。
今の日本で同じ事が起こっていないと思う(て言うか信じたい)んですが、過去を歴史では「226事件」や「515事件」もありましたので、歴史の転換期にはこういった事が起こるんでしょうね。
また、それを何とかしようと言う意識は愛国心から来るもので、それの揺るぎない信念と言うか、決意は重くも何処か清々しい感じにも映ります。
キム部長役のイ・ビョンホンが難しい難役をガッツリと演じている。
韓国を代表するイケメン俳優ですが、御歳50歳と聞くと、思えば遠くへ来たもんだな感じですがw、様々な作品に出演しているだけあって、重厚感が滲み出ています。
ポスタービジュアルの眼鏡を掛けたイ・ビョンホンは「孤独のグルメ」の松重豊さんにそっくりですがw
個人的に良かったのはキム部長と敵対するクァク・サンチョン警護室長役のイ・ヒジュン。
何処か滑稽で権威に擦り寄る姿勢がキム部長と対比していて良いです。
大統領に次ぐ権威を持っていると言われていても、トップに疎まれれば、自ずと閉職に追い込まれるのはどの職業でも同じ。
だが、トップが腐っていたら、いずれは誰かに討伐されるにも歴史が繰り返し証明している訳で愛国心と野心の間に揺れながらも、最終的には誰かがやらなければならない義侠心から来る愛国心ではなかったかと思います。
とにかく見応えはありますが、全編通して重いので観終わったら疲れますw
でも重厚感のある作品はとにかく「映画を観た!」と言う感想に浸れますね。
ある程度韓国の歴史を知っていればもっと楽しめるかなと思える作品ですので、各国の歴史を予習してからが得策ですw
人が歴史を動かすときに考えてること
1979年10月26日、朴正煕大統領が大韓民国中央情報部(KCIA)の金載圭部長に暗殺された事件 公に見えている史実はそのままに、背景で動いていたかもしれないいろんなものを肉付けしたフィクションの立て付け 分厚くて面白かった、近代史描かせると韓国映画ってホントに深いところを強く抉ってくる ニュースにはわかりやすさが大事だから、この事件の背景、単純な私怨っぽいまとめ方が主流かもしれないけど あれだけのことを昔から一緒にやってきた同志がやらかした裏側にはもっとグチャグチャといろんな何かがあったと考えるのが自然では、と問いかけてくる 国家や国民への忠義っていう表と、政争での焦りや私利が、自分の中でもどっちがどっちかわかんなくなるくらいグチャグチャになった中で引き金がひかれた、って解釈 御意 大人同士がぶつかってるときにどっちか片方だけが100%正しいなんてことはまず無い
2021-1
韓国映画見ながら、顔中のシワを眉間に寄せたい方(私)へ。 新年初の劇場映画。いやー長かった。 私のレビューではお馴染みの、同僚の韓国人お姉さんと一緒に。 最近の韓国ノワールや韓国サスペンスで思い出すのが、『工作 黒金星と呼ばれた男』。 ずっと眉間にシワを寄せながら、頭をフル回転させているのに、時間を感じさせず、気づいたらエンドロールを迎え、心も体も持っていかれるあの感覚。 その『工作』でキーマンを演じていたイ・ソンミンさんが、本作でパク・チョンヒ大統領を演じているのですが、、、ソンミンさん、すごすぎますよ。また持っていかれました。 上司と部下。男と男。戦友。 国のトップと、国の情報戦のトップの男の間で揺らぐ、脆い感情がこちらにも伝わってくる。 二人は同じ志のもと、革命を起こした。 同じ酒を交わしながら、あの頃はよかったと回顧した。 キム部長が夜に一人残業していると、大統領が、酒でも飲まないか、寂しいから、と部屋を訪れる。 そういった描写が心の中に刻まれているから、暗殺を決行すると決めた宴のシーンが心にガツンと響きます。 またエンドロール後は『工作』状態。 やっぱり韓国映画、すごい。 人の心の暗い部分や弱い部分をまざまざと見せつけられる。 そして40年前の大統領暗殺事件(たった40年前の韓国だということも驚きだけども)を扱った映画が、昨年の韓国での興業収入1位というのも興味深い。
(原題) 남산의 부장들
韓国で起こった大統領側近による大統領暗殺までの出来事を描いた作品。中央情報部の部長が大統領暗殺を企てるに至った心理的葛藤を見事に描いていて、イ・ビョンホンの鬼気迫る演技すごい。眼差しもだし、他の作品とは違う英語での演技に秀逸。民主抗争を理解していると面白さが増すんだろうな…
非常に複雑で未解明部分の多い事件を、ここまで分かりやすく整理した手腕に脱帽の一作。
本作は、韓国の朴正熙大統領暗殺事件に基づいています。作中のほとんどの描写は、同事件を忠実に再現しているのですが、登場人物は全員仮名としており、一応「事実に基づいたフィクション」という体になっています(本作に登場する大統領のみ、「朴大統領(閣下)」と呼ばれてはいるが、下の名前までは呼称していない)。 それでは事件の前知識がないと、あるいは韓国の政治サスペンスに興味をもっていないと本作に入り込めないのかというと決してそのようなことはなく、「かつて韓国で強権的な大統領の暗殺事件があった」、という程度の情報があれば、十分に楽しむことができます。 というのも、本作では主要な登場人物をかなり絞り込んでおり、物語は大統領と、彼に忠誠を尽くすあまり反目し合う情報機関の責任者(主人公)と、大統領警護の責任者のほぼ三名で展開していくという思い切りの良さ。しかも画面内の立ち位置や距離感で、一体誰がどのような思惑を相手に抱いているのかが一目でわかるようになっています。複雑で分かりにくいどころか、ほとんど説明過剰と思えるほどに配慮の行き届いた脚本、演出となっています。 権力を握る男同士の、ほとんど恋愛に近いような情緒のぶつかり合いは、同じく韓国の作品『工作 黒金星と呼ばれた男』でも重要な物語の構成要素となっていましたが、本作の方は大統領への思慕が対立の起因となってしまっています。 『鬼滅の刃』の、いわゆる「パワハラ会議」よろしく、本作の朴大統領による部下への詰め方が、言葉の使い方の悪辣さとか、実にうまいなと…(ほめてない)。彼の言動は、パワハラにうんざりしている人にとっては、結構きついかも知れませんね。 作品に登場する、ある食べ物など、さりげなく登場する小道具にもいろいろと深い意味があったり、映画的な演出に見える描写が実は事実を忠実に反映していたり(あるいは全くのフィクションだったり)するので、鑑賞後は原作を読んであれこれ発見してみると面白いかもです!
大統領って商売は……
韓国映画といえば新宿シネマート❗で鑑賞 民主化へと続く歴史の流れを勉強出来ました。この頃から大統領はろくな目にあってないんだな❗事実はわからないが、キム局長の正道を信じたい。イ・ビョンホン良かった。
1979年の”本能寺の変”
KCIA部長とパク大統領、正邪で描かれていないところが秀逸です。二人ともいつも苦悩して悲しい表情を見せるのが印象的です。パク大統領が酒に酔って歌を唄うシーンは、たぶん、世界中の指導者(独裁者も含む)が共感してしまうところではないでしょうか。 最後、車がターンするシーンが印象的でした。 「本能寺の変」もこんな感じだったのかな? と思ってしまいました。 ただ、私は歴史的背景に実感がないので、この映画を本当には理解できないのかも知れません。 それにしても映画として作ってしまうことはすごい。日本にも似たようなネタはあるのだろうけど、映画にはなりませんよね。
サラリーマン目線で
単純に面白い作品でした
中央情報局のトップであっても組織には上司が
いるわけで、サラリーマン的な目線で「ある
よなぁ、、」と頷く場面も。
映画の冒頭にフィクションとあり、史実とは
若干の差異もあるのでしょう。
しかし、結果は分かっていても作品に身を委ねて
ラストまで退屈無し楽しめます。
もしもキム部長が大統領になっていたら想像すると
それもまた楽しいもんです。
ラストシーンで振り向いたあの人が後のあの人なん
ですよね。
原作読みたくなって来ました。お勧めです
イアーゴ
1961年の軍事クーデターで権力を握り、63年から16年にわたり韓国大統領の座に君臨したパク・チョンヒ。79年10月26日、彼は、大統領直属の情報機関だった韓国中央情報部(KCIA)の部長に暗殺された。その背景を、犯人であるキム部長の視点から解き明かした政治サスペンスである。原作はキム・チュンシクのノンフィクションだが、映画は「実話に基づくフィクション」として人物名が変更されている。 主演のイ・ビョンホンは、18年前の革命の大儀を忘れた大統領への憤りと、粛清の恐怖に支配されていくキム部長の心理を細やかに表現している。 韓国のみならず、アメリカやフランスロケも見どころの一つである。
朴正煕暗殺に至る経緯を描いた佳作
韓国の朴正煕(パク・チョンヒ)大統領。 ちょっと前に大統領をやっていた朴槿恵(パク・クネ)のお父さん。 私は韓国の歴史は詳しくないので、戦後の韓国政治がどんな風に推移してきたかを知らない。それを知ろうと思う、良いキッカケとなる良作だった。 韓国は戦後ずっと軍政だったんだな。。 これを書いている2021年2月現在、ミャンマーで国軍がクーデター起こして大騒ぎになっているが、軍人が政治やっても良いことなど何もない。それはこの数百年の歴史が証明している。しかし、韓国では1987年に盧泰愚(ノテウ)大統領になり、ようやく民主化が実現できたのか・・まだほんの30年前じゃないか。 私は今45歳なので、私と同じ世代の韓国の人なら軍政時代を知ってることになる。韓国では政治デモが盛んだが、長い苦しみの上に勝ち取った民主主義だからこその行為なのだろう。日本の現状と比べると何とも自分達が情けなくなるが。。 この映画では、その朴正煕暗殺までの40日間を描いている。 主演のイ・ビョンホンがまた渋い。良い俳優さん。 当時の中央情報部(KCIA)部長で暗殺を実行した金載圭(キム・ギュピョン)を演じている。キム・ギュピョンはその後死刑になるが、この映画の最後に本人の音声が流れる。これがまた素晴らしい。韓国内で再評価されているらしいが当然だろう。 周りの俳優の演技も本当に良かった。 しかし、韓国映画のレベルは明らかにもう日本を超えてるな。最近のテンプレ化した日本映画など、アニメ以外は観る気がしないもんな。。日本の俳優って、アイドルがテレビで有名になったついでに俳優やる、とかばっか。全然違う仕事なのに。韓国では、というか、他国ではその棲み分けは当たり前にやってるだろう。映画の音楽も感動を強要するテンプレ音楽でホントに観る気が失せる。 韓国の映画界は、黒沢・小津監督時代の昔の日本に似た状況なのかもね。 そのまま変な方向に曲がることなく、良い作品を生み出し続けてもらいたいものです。
【"あの頃は良かった・・。" 軍事国家の道を再び突き進む国を憂い、哀しむ"革命家"の苦悩する姿を描いた作品。全編を覆う緊迫感が尋常ではない作品でもある。】
- 冒頭、今作品は"フィクション"である、というテロップが流れる。 朴正煕大統領暗殺事件の真相は、今だに闇の中だからである。- ■今作品の印象 ・金載圭韓国中央情報部長をモデルとした役を演じたイ・ビョンホンの深い憂愁を湛えた表情。彼が笑顔を浮かべるシーンは、作り笑いのシーンのみである。 彼が、第4代韓国中央情報部長だったパクが亡命したアメリカに渡り、彼が朴大統領を批判した原稿を持ち帰るも、徐々に朴大統領の信頼を失い、クァク警護室長に大統領の”信頼”が移っていく様を見る哀し気な表情。 ・全編を覆う尋常ではない緊迫感。朴正煕大統領の行く末が分かっていても・・。 ・朴大統領の孤独感を現す、酒に酔って、詩を読むシーン。 組織のトップは"得たいの知れないどす黒い孤独"を、常に感じているのであろう。 だから、彼も、嘗ての”革命の志”を長期政権を維持する中で失っていくのであろう。 朴大統領を演じたイ・ソンミンは「工作 黒金星」で、瞠目した俳優であるが、今作の演技も凄かった。 且つての革命家としての自分と、保身に走る現在の自分の姿を比較し、諦観したかのような表情。そして、時に檄する表情、声。 ◆今作の真相は、一般的には映画のラストでテロップで流れた事になっているのであろう。だが、金載圭の肉声 ”革命家として、民主主義を・・” を聞くと、もしかしたら・・、と思ってしまった作品。 そして、それが真実だったとしても、朴大統領の後に韓国の実権を掌握した全斗煥は民主化運動を弾圧した”光州事件”を起こし、多数の市民が虐殺されている。 「タクシー運転手 ~約束は海を越えて~」で、詳細が描かれた事は記憶に新しい。 何とも空しい・・。 <韓国映画は、近年でも、多くの優れたポリティカル映画を排出している。 (上記2作や「1987、ある闘いの真実」は秀作だが、イケメンのチョン・ウソンが欲に塗れたソウル中央地検の部長検事を演じた「ザ・キング」も好きでした。) お国柄の違いなのだろうか。 それにしても、歴代の韓国大統領の最期は悲劇的なモノが多い。 全斗煥は、無期懲役となり、盧泰愚は懲役17年(のち、減刑) 盧武鉉は自死 朴正煕の娘である、朴槿恵も生きて獄から出て来れないであろう・・。 大統領に、権力が集中し過ぎる政治構造が原因だが、それにしても多すぎないか・・。> ■蛇足 <部長と室長は仲が悪い問題> 今作でも、金載圭韓国中央情報部長と、クァク警護室長との確執が多くの場面で描かれているが、実組織でも似たような事は多いのではないだろうか? 因みに、私は今作の様な”上に媚び諂う”室長は、本人とお話しして、適材適所な部署に行って貰う事にしている。 そのうち、宴会の場で、銃で撃たれちゃうかな? (撃たれたら、”なんじゃこりゃー!”と言うつもりです。) すいません・・。
自分の無知に嘆く
1979年、自分は16歳だった。高校生なので、一応、世界の情勢にも目を向ける位の度量があるはずなのだが、こんな凄い事件があったのは映画を観て知った。「1987、ある闘いの真実」を観たときも同様な感想、1987年は大学生で学校には行かず、遊んでばかりいた(当時の医学部は殆ど出席しなくても進級できた)。韓国って大変な歴史を歩んでいたんだと自分の無知を嘆く。
子供じみた嫉妬と疑心暗鬼が暴走するずっしり重いポリティカルフィクション
1979年、アメリカに亡命した韓国の諜報機関KCIAの前部長パクが下院議員聴聞会でパク・チョンヒ大統領が今までに行なってきた数々の不正行為を告発した。激怒した大統領はパクの後任の情報部長キムに事態を収拾するよう指示、渡米したキム部長はパクに接触するがそこで自身の与り知らぬ政治的な動きがあることを知らされ動揺する。 実録ドラマであるかのような緊迫感で暗殺事件が起こるまでの40日間をスリリングに活写したポリティカルフィクション。大統領とキム部長が酒席で交わす短い会話で二人の断ち難い友情を垣間見せているので、強大な権力を持つことで逆に誰も共感出来ない深い孤独感に苛まれる大統領の焦燥、純粋な愛国心と忠誠心があるがゆえに大統領の意に沿わない忠告も辞さないキム部長の苦悩に終始深い陰影が宿っています。大統領が自身の権力を誇示するために呟く犬笛が劇中で何度も何度も繰り返され、米国政府の干渉や自国政府内でのパワーゲーム、そして子供じみた嫉妬で男達が窮地に追い込まれていく様は圧巻で、冒頭で暗示される終幕から走り去るリムジンが照らし出すその後の顛末が鉛のように重いです。 自国の歴史の暗部も容赦なく描写してのける韓流映画の奥深さには驚異しかないですが、おまけ程度にしか登場しないワシントンやパリのロケにも短編映画でも撮影するかのような人材を投入し、40年以上前の空気感を精緻に再現することにも一切妥協がない点も特筆すべきところ。キム部長を演じるイ・ビョンホンと大統領を演じるイ・ソンミンが見せる張りつめた神経戦は場内を凍りつかせるかのように冷たく、特にイ・ソンミンは『目撃者』や『工作 黒金星と呼ばれた男』とはまた全然異なる人物像を体現していて、その演技力の幅広さに戦慄しました。
感情を押し殺した男の爆発した時の凄み!
韓国大統領の右腕だった、中央情報部キム部長が大統領暗殺に至った史実を映画化したという本作。(本当に史実通りなのかはよく分からないけど…) イ・ビョンホンの、極力感情を押し殺していた男が爆発した時の凄みや、革命の同志と高い志を忘れ権力に執着する「裸の王様」が、真の味方は誰か疑心暗鬼となっていく心情の変化などが上手く演出されていた。 もう少し、情報戦・心理戦の妙なんてのがあれば良かった気がするが、一応史実を基にという前提なので仕方ないか…
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