「喪失と再生の物語」林檎とポラロイド セキララな思考。さんの映画レビュー(感想・評価)
喪失と再生の物語
映像が美しく、無駄なものが省かれた服装や室内の装備などがとても素敵。
光の加減や生活音の心地よさに浸ってゆく。
奇病のため記憶を失い、それにより居場所を失った人々に施される奇妙な行動療法の滑稽さに時々笑ったり、目頭が熱くなったり静かに感情が揺らいでいた。
冒頭からそうではないかという予感がしていて、多分それは当たっている。
ラストシーンまでの流れがとても自然なことと、主人公の中年男性の無表情がミスリードを上手く誘っていて、お見事。
ヒントは至るところに散りばめられているけど、仕掛けに目隠しされてわかりにくいかも。
観たあとにそれらを思い返してみると、とても切なくて辛くて、でも優しい気持ちになる。
機会があったら映画館でも観たい。
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