劇場公開日 2022年3月11日

  • 予告編を見る

「結局、人の悲しみは、人との関係によってしか癒されないのかもしれない。」林檎とポラロイド jollyjokerさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0結局、人の悲しみは、人との関係によってしか癒されないのかもしれない。

2022年3月26日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

被写界深度が浅い画が多く、しかしそれが自然と作品に溶け込んでおり、主人公の視点が分かりやすい。

ポラロイド写真に写った記録は、自身の行動ではあるが、能動的な意識は写真のさらに奥深くに刻まれている。

無表情でリンゴを貪りひょろひょろと街を歩き行動する男は、コミカルなミッションを続ける中で、実は人との関りを欲していたのだろう。深い悲しみは忘れたいけれど、それを乗り越えた男は新たなミッション「生きる」ことに挑戦するのだろう。

ヨルゴス・ランティモスの不思議な雰囲気は好みであり、啓示的なラストにも満足した。

jollyjoker