「当院がオススメするプログラムがあるわ、通称「新しい自分」プログラム。」林檎とポラロイド 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
当院がオススメするプログラムがあるわ、通称「新しい自分」プログラム。
なんだなんだこの世界は。ここはどこだ?時代は今か?どこの言葉だ?もしかしてSFコメディ路線?前知識なしのおかげで(それはそれで楽しめるので好き)、ストーリー以前に疑問点が多すぎて画面にくぎ付けになった。観終えてチェックすると"ギリシャ・ポーランド・スロベニア合作"とあった。それだけで、うおお!と唸った。
「心と体と」の世界に近い。画面に出ている物体(林檎、ポラロイドやテープレコーダー、)に仮託された意味、治療機関の課すプログラムの信ぴょう性、そして主人公(あれ?ほとんどのキャラに名前はない?犬だけ?)のとった行動の訳。
いたるところにちりばめられているのが、ヒントなのかトラップなのかフェイクなのか落とし穴なのか、少なくとも騙し絵に惑わされないように用心するときと同じ気分で画面に見入った。
セリフを抑えて、極力観客それぞれの解釈へと誘うような展開は上質。ラスト、意を決したかのような主人公のこの行動はどういう心境か。誰かと答え合わせをしてみたい。いくつか出てくるであろう答えのひとつひとつを。
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つよぽnさんのコメント
2022年3月30日
私も前知識なしで観て「え?ここは笑うところ?それとも深刻な状況?」とか「135ってあれだよね?」考えながら観てました。疑問はパンフレットで殆ど解決しました。