「映画ではなくあくまでファンムービー」ザ・ビートルズ Get Back からくりおばけさんの映画レビュー(感想・評価)
映画ではなくあくまでファンムービー
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ものすごく観やすくしてくれてはいるのですが、この地点の「ビートルズ」の意味を概ね理解してそれに重きを置くことができてやっと楽しめる、一見さんにはとても楽しめない、ストーリーのない映像集。ゲットバックセッションの前後のストーリーがわからなければ何を観させられてるのかちんぷんかんぷんだと思います。
「アンソロジー3」を聴き込んだことのある人には『あの音だ!』と大興奮の場面が多数あり(私はこのラインです)、ブートレグに手を出していた猛者にとっては絶頂ものでしょう。
トゥイッケナムでのダルダルでジョージが脱退するほどギスりまくりには「やば・・・」となり、アップルのスタジオに移ってからのクリエイティブ集団と化した彼らには「っぱビートルズよ!」となり、ビリープレストンの笑顔には「めっちゃいい人だなあ」と癒され、最終目的となってしまったルーフトップに至る迷走には「こんなんなるんだなあ・・・」となんとも言えない感慨に浸ることができました。
個人的な絶頂シーンは、ポール「俺たちの曲シナジーあるじゃん!」ジョン「よせやい」みたいなやり取りと、ジョージがソロ作を出そうと思っているとジョンに話す場面。たまらん!
あとはジョンがアランクラインについてジョージに話す場面は、ほぼホラーです。
全編に登場人物のセリフとして、ブリティッシュジョークが溢れていますが、ほぼなんのことやらさっぱりです。でもいいんです。4人が生々しくそこに生きているだけで、7時間なんてあっという間です。
ピータージャクソンはこれ以上ない仕事をしてくれたと思います。でもこれを作品と呼ぶかはわかりません。人には勧めません。
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