「始まったばかりで興醒めして、その分後半で跳ねました。」アイの歌声を聴かせて きんぴらさんの映画レビュー(感想・評価)
始まったばかりで興醒めして、その分後半で跳ねました。
「AIロボが学校でバレないように生活できるか」の検証中に様々な問題が勃発し、AIロボのシオンが中心となって解決するとともに友情を芽生えさせる作品。
転校初日に自己紹介もないまま歌い出したり、状況とセリフが噛み合わず(突拍子のない「今、幸せ?」)、見ていて辟易した。ただ、シオンの存在と行動原理が徐々に明かされていくと、序盤の謎めいた行動を理解できるようになる。大きな切なさと、それを超える大きな感動を味わえる。
序盤は残念な映画かもしれないと思っていたが、その気持ちが強かっただけに、後半でシオンの秘密が明かされた時には下げからの上げで余計に跳ねた。鑑賞者の心理状態までコントロールして作られているのだとしたら、絶賛を惜しめない。
あとは背景描写が素晴らしい。雲の描写がアニメ調ではなくてリアルに近く、きめ細やかに描かれている。結果夕日のシーンが他のアニメ作品より映えている。この点も満点をつけたポイントに大きく寄与している。
2021年劇場で鑑賞した中で、個人的に最も感動した作品。
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