「誰かの孤独に共感出来る」クローゼット(2020) ぬえさんさんの映画レビュー(感想・評価)
誰かの孤独に共感出来る
この映画では多種多様の「孤独」が描かれています。
添い寝屋を訪れる顧客は皆「孤独」ですが、
実は顧客だけでなく、もてなす側もみんな「孤独」である気がしました。
主人公ジンはもちろんですが、
一人で会社をきりもりする高木さんや
ダメ人間のホストにも「孤独」を感じます。
でも自分が一番感情移入してしまったのは
やり手の先輩のKさん。
誰にでも合わせられるってことは
自分がないわけで
それって悲しいほど「孤独」ですよね。
なんだか分からないですが、観てて
「太陽を盗んだ男」が頭に浮かびました。
そんな感じの多種多様の「孤独」を
多種多様の俳優さん達が演じています。
ところで自分は人の顔を覚えるのが苦手なんです。
普通これだけ沢山の人が出てくると
誰が誰だかわからなくなってしまうんです。
でもこの映画は俳優さんの演技がみんな印象深いので
見失うことはなかったです。
特に草村礼子さんと渡辺いっけいさんの
味わい深さはしばらく頭から離れない気がします。
主演の美濃川さんも難しい役所でしたが、
物語を見事に牽引していてスゴイと思いました。
というわけで
登場人物の誰かの「孤独」に共感することで
観た人「孤独」な心に寄り添う。
まさに添い寝屋のような映画だったと思います。
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