「UFO人間拉致事件をリアルに描いたディテールに拘った作品」ディメンション ヤマトさんの映画レビュー(感想・評価)
UFO人間拉致事件をリアルに描いたディテールに拘った作品
クリックして本文を読む
ストーリィ展開もテンポも良い。
決してB級映画ではありません。
SFとして臨場感と細部のディテールに拘った良い出来栄えの映画です。
他でなぜ低評価が多いのか??正直、理由が全くわからない。
きっと、題材がUFOや宇宙人なら、“「宇宙戦争」のような全方位的な大スペクタクルバトルが必ずあるはずだ”と、先入観ありきで鑑賞したのではないだろうか?
「スカイライン」への低評価となんだか似ている。
本作品はおそらく、UFOに拉致された記憶を持つ人々を緻密に取材した上で書かれた脚本だろうと思う。
ジェット戦闘機や戦車が登場する大バトルはゼロだが、斬新な最新鋭のアンドロイドによる追跡劇は興味深い。さらにラストシーンは意表を突く展開で目を見張った。
そのラストを観て、ようやく「ディメンション(次元)」の意味を理解。
被害者や秘密組織などの登場人物それぞれがリアル且つ科学的根拠に基づき丁寧に描かれており、その点で制作者の姿勢や方向性は非常に誠実で、好感を持った。
またSFジャンルではあるが、フィクションと呼べるのはUFOを追う秘密組織と宇宙人像だけで、他はほぼ現実。“SFスリラー”ジャンルから、“フィクション”の部分を丁寧に取り除いたような、これまでのUFO映画とは全く別路線の印象深い作品です。
「UFO映画はこうあるべき」との先入観さえ持たなければ、必ず楽しめるはずです。
コメントする