「情け無用の没落貴族」アンソニー・ホプキンスのリア王 マサシさんの映画レビュー(感想・評価)
情け無用の没落貴族
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物乞いとして街をうろつく元の王は曰う。
原文を記す。
『どんどん子を作れ、兵士が要る。女は純潔な顔して好色だ。腰から下は悪魔が支配。そこには硫黄が流れ出る穴がある。恐ろしいぞ。用心しろ』
哀れに思う元の王は続ける
『辛抱しろ。人間は生まれる時に泣く。初めて空気を嗅ぐと悲しくなるのさ。人間が生まれて泣くのは、この大舞台が愚か者ばかりだからだ。』
そして『グレ◯トブリテン及び北アイルランド連◯王国』は悪者しか残らなかったつう訳だ。
リア王そのものなのだが、黒澤監督の『乱』と違うのは、偽善を完全に払拭している所だと思う。血も涙もない死が訪れるし、家族の絆など欠片もない。
『乱』と『リア王』は似ても似つかないストーリーだと思う。毛利元就の三本の矢の逸話を含めているので、全く逆の結果を生む事になる。
さて、ネタバレ的
独断 と
偏見
リア王は悲劇。
リア王はどこで悲劇と遭遇するか?
可愛がっていた末娘の正直な一言?
ではない。
ネタバレ。
三人とも娘だった事。
そして、リア王は狂ってなんかいない事。ある意味確信犯だった。
さて、これが黒澤明監督が変えたストーリーの変化で、それが吉と出るか。凶と出るかだと思う。
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