「もう映画は作らなくていいよ」映画 賭ケグルイ 絶体絶命ロシアンルーレット Scottさんの映画レビュー(感想・評価)
もう映画は作らなくていいよ
前半がすごくもたつくんだよね。「駄目だよ監督は英監督でやらなきゃ」と思ったの。このもたつきは英監督じゃないだろうって。そしたら、英監督だったからビックリした。
視鬼神に負けていって「さあ、ピンチ」ってことにしてるけど、視鬼神がやってるのはギャンブルじゃなくて脅迫だよね。頭脳じゃなくて暴力。それで「負けたあ〜」って言われてもね。むしろ視鬼神を逮捕しろって。
やられた感がないから「どうせ引っくり返すんでしょ」ってハラハラせずに観ちゃうの。
途中の夢子との勝負も「尺的にここは負けるな」って感じだから驚きもないし。
それで生徒会長交代式で「公式戦を挑みます!」で盛り上がるんだけど、まあ「ああ、そうですか」って感じだよね。
それでもロシアン・ルーレットは盛り上がって観ていられる。これ浜辺美波、高杉真宙、池田エライザ、柳美稀の演技が良いからなんだよね。正確には、浜辺美波と高杉真宙は図抜けてうまくて、池田エライザと柳美稀は役と演出がビシッとはまってんの。
ここに藤井流星が入ってくると崩れる。藤井流星は頑張ってると思ったけど、やっぱり浜辺美波や高杉真宙と比べると見劣りしちゃう。
前作は福原遥と宮沢氷魚を使って、それでも「ちょっと、足りないか……」って感じだったから、藤井流星じゃさすがに無理なんだよ。
思えば、前半がもたつくのも、藤井流星がしゃべるシーンが多いからなんだよね。ここを演技で引っ張れないから、もたついてみえちゃう。
なんで藤井流星をキャスティングしたのか分からないんだけど。この役やれそうないい男優はいま一杯いるよね。中川大志級をもってくればいいんだよ。
なんかキャスティングで圧力合ったのかな。《賭ケグルイ》って、浜辺美波・森川葵・高杉真宙がバリバリうまくて演技合戦してる感じで、そこにまだ超ブレークはしてないけど演技しっかりしてるっていう俳優を絡めてうまくいってたんだよね。でも、メジャーな俳優をどうしてもいれなきゃいけないって状況になるなら、もう映画化はしなくていいよ。
それと今回は話的に森川葵と矢本悠馬をそんなに使えなかったから、ここで引っ張れないのも痛かった。
これだけビハインドあっても浜辺美波がなんとかしちゃうから凄いとは思ったけど。もう《賭ケグルイ》はTVシリーズやAmazon Primeでひっそりやった方がいいと思うよ。