劇場公開日 2021年1月8日

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「ジワジワとした余韻が観終わった後に、上手く行かないドラマも好み」チャンシルさんには福が多いね たいよーさんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ジワジワとした余韻が観終わった後に、上手く行かないドラマも好み

2021年6月5日
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鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

幸せ

抱えた荷物をスッと下ろして深呼吸しな!と、優しく肯定されるような優しい映画。知ってから約6ヶ月、期待を裏切らない良作だった。

チャンシルさんはプロデューサー。飲み会の席で監督が亡くなり、仕事もなくなった。しかし、お金も男も何もない。どうする!?みたいなコメディ。
実に潔いオープニングから始まり、あれこれ大変なことが起きているのに、良いさじ加減でコメディに落とし込む。スターが幽霊で見えたり、健康器具で遊んだり、家政婦として働いたり…。半地下の例えとか『パラサイト』観ててますます面白かった。そのこじらせ感と肯定から、韓国の大九監督と言われるのも納得。その一方で、ハッピーが一番とか、これが正解だろうと案じさせないリアリティが強いのでドラマが厚い。仕事をしなくてはいけない、寄り添う人がいなければいけない…。そんなの誰かが決めただけ!と突く。だからラストまで凄くポカポカ。特にエンディングが印象的。観た後、心がフッと軽くなった気がする。

チャンシルさんのコメディエンヌぶりも、女優役の子も可愛いからクセになる。まだまだ観てもらいたい作品。

たいよーさん。