血のレビュー・感想・評価
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失神するほど美しいペドロ・コスタの処女作
一度目の鑑賞で、あまりに美しい映像に気を失ってしまったため、再トライ
言葉での表現に限界を感じるが、黒白のコントラスト、構図とも映画史に残ると言いたいレベル
全編全ショットに魅了される
感情を揺さぶる音楽の挿入も効果的
夜の墓地から木立への一連のショット、
墓穴を掘る疲労と不安、よすがなき抱擁
祭の広場へ土手を走り降りると、川面から霧が立ち上がる幻想感
そして川底から死体が上がる不穏さ
恋人を岸に押し倒すイネス・デ・メディロスのふくらはぎのなまめかしさ
あゝ、とても伝えきれない
PV、モノクロ映画考えてる人必見。
ポルトガルのペドロコスタ監督初長編です。
勉強不足でこの監督知りませんでした。
めちゃくちゃ絵がカッコいいです!パンフ見ると色んな映画の影響、、、書いてありますが私はこの人の年齢とバンドやってた経歴みてMTVの影響がデカいのではないかと思います。当時はハーブリッツやメイプルソープ、マットマファリン、ヘルムートニュートンなんかの影響受けたPV全盛期だったから、当時30歳バンドマンの彼は直撃受けてるはず。
この映画でモノクロ絵を追求するのは満足したようで、以後モノクロ作品はありません。
お話はというと貧しい人をカッコよく撮る事に重心おいてます。父親殺した主人公が、彼女と弟を探して云々、、サスペンスにしては進み遅いし会話が散文的、詩的で話の内容はぶっちゃけわかりずらいです。
ただ独特の世界観と中毒性はこのいまひとつ噛み合わない会話と絵の凄さにあるのかなと思います。
1989年。ペドロ・コスタ監督。病気で苦しむ父親の自殺/安楽死/殺...
1989年。ペドロ・コスタ監督。病気で苦しむ父親の自殺/安楽死/殺人を補助する/見過ごす/手を下す青年が、弟にはそれを告げないまま過ごそうとするが、弟を強引に預かろうとする叔父や父の借金を脅迫的に求める二人組に遮られる。恋人の助けを借りてなんとかこの試練を潜り抜けようとするが、という話。
物語の展開を追うのは容易ではないので、言語化できない場面が続いて眠くなるのは致し方ないが、とにかく画面が美しい。すでに冒頭のシーンで、父と青年が向かい合い、父親が青年の頬をおもいっきり張って歩き去り、青年は三輪自動車で追いかけるのだが、カットバックされる二人の大写しの顔の陰影、背後の地平線、足元のぬかるみ、など感嘆するほかない。
死んだ父親を墓地に埋めようとするシーンでは、「まっくらだ」と登場人物たちが言うのだが、画面には思いっきりライトが当たっていたり、恋人とで会ったらいきなり女のほうが気絶していたり、「映画だなあ」という場面の連続。
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