ウォー・オブ・ザ・ワールドのレビュー・感想・評価
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事前情報アリなら割と楽しめます。
原作はHGウェルズの古典SF『宇宙戦争』
【ストーリー】
アメリカ国土安全保障のウィル・ラザフォード(アイスキューブ)は、政府の監視プログラム"ゴライアス"で、世界中の脅威を探索するチームの一員として働いている。
いつも通りはじまったはずのその朝は、だが、いつもどおりには進まなかった。
巨大な隕石が次々と地球に衝突し、その中から三本足の巨大な機械「トライポッド」があらわれ、人類とその施設へ攻撃をはじめたのだ。
大統領の緊急対応、作戦行動中のFBI捜査官への助言、NASAとの情報照会、さまざまな対応に追われながら、ウィルは家族を守ろうと奮闘する。
話題の一作。
ほとんとの場面がスマホカメラやウェブカメラ、監視カメラで構成され、ストーリーの大部分は間接的な映像の中で展開します。
今様の斬新な構成なんですが、反面、臨場感がモロに削がれちゃってるんですね。
アイスキューブの顔がカメラによりすぎのドアップ多すぎ問題、発生しちゃってます。
ぼくらインターネットサーフィンやり始めたころから生きてる旧石器世代人類だから、そんなのも身近に感じそうなもんですが、カメラワークやキャラ設定のせいもあってかなかなか感情移入しづらい。
あんのじょう本国で大批判をくらい、映画批評サイトロッテントマトでは☆1つ。
すご。
なかなかないよ☆1つ。
そりゃ話題になりますわ。
日本でも散々な評価の当作品ですが、最初からそういうもんと思って見てみればそんなに悪くない出来。
「現在進行型モキュメンタリー」という、すごく斬新な形態の映画とも言えます。言えるかな? いや、言える言える。ギリ言えます。
さすがにおすすめはしませんけど、近年パブリックドメインが切れ、大量に作られた『宇宙戦争』の映像化作品の一つとして、なかなか珍味ではあります。
HGウェルズファンなら、それなりに楽しめるかと。
あの宇宙戦争が、デジタル版に大変身
『宇宙戦争』と言えば、誰もが知るH.G.ウェルズの同名小説を1954年に初めて映画化。その後、スピルバーグとトム・クルーズがタッグを組んで、2005年にリメイクされた、SF映画の金字塔とも言える作品。その『宇宙戦争』の骨格は残しながらも、デジタル社会となった現代らしいアングルと演出によって、リメイクされた本作。冒頭で、「これが宇宙戦争?」と疑問を抱いたが、次第に、その斬新な展開と映像にのみ込まれていった。
以前、サスペンス映画の『search』でも同様な手法が使用されたが、本作も、スマホカメラや街中の防犯カメラ、ドライブカメラ、SNS画像から抜き取ったパソコン画面だけが映像として流れ、物語は進行する。事が起こっている現場に行くことができないもどかしさの中、デジタル機器やネットワークを駆使して、一瞬一瞬の変化に伴うスリリングなシーンが、次々と映し出され、観る者の緊迫感を煽る。
そのパソコン操作しているのが、政府のテロ対策の為、ハッカーを突き止める監視仕事に従事しているウィルという一人の男。突然のトライポッドの来襲で、壊滅的な被害と大混乱となった世界。ウィルの家族もまた、攻撃に巻き込まれる中、監視システムのネットワークを活用して、何とか救い出そうとする展開。
これまでの『宇宙戦争』では、人の血液を食料にし、滅びる原因は地球上に存在するウィルスだった。しかし、本作の宇宙人は、地球上のデーターが食料というデジタル設定。そこで、ウィルはハッカーだった息子と共に、データーにウィルスを潜り込ませて、宇宙人を壊滅させようと考えたのだが、それだけでは上手くいかず、次の撃退方法を、今度は娘と打ち出していく。
なかなか斬新な映像で、『宇宙戦争』を、現代風に蘇らせた、ジェームズ・コンデリック監督のアイデアと映像手腕が光る作品。多分、宇宙船が街を破壊するシーンも、パソコン画面だから多少の画像の粗さは気にならないし、CGで描いた製作費も、すれほどかからなかっただろう。但し、本作の分からない所は、この宇宙人を呼びよせたのが、どうも政府の陰謀のようなところ。その点が、何となく腑に落ちない終末となった。
痺れるセリフのための作品
以前一旦見るのと止めた作品
解説にあったH.G.ウェルズ原作の「宇宙戦争」のリメイク
少し前にイギリスのリメイク作品を見たが、その世界観は非常に矮小的で、それより前に作られたトム・クルーズ主演の宇宙戦争と比較にならないほどのものだった。
これもそうかと、思っていたが、意外に素晴らしい作品に仕上がっていた。
このリメイクは原作を元に書き直され、その骨格だけを残したものだろう。
さて、
政府機関であるテロ対策班の主人公ウィル
彼は日ごろからハッカー集団の「ディスラプター」を追いかけていた。
政府が指示を出し、このハッカー集団を逮捕せよとの命令でウィルは行動している。
そのため、実際にアサンジやスノーデンがリークした政府による市民の監視等々を、ウィルが行っている設定だ。
ところがウィルには父という責任が常に付きまとっている。
死んだ妻との約束
しかし「子育ては難しく」彼らを監視することが彼らを守ることに繋がると信じている。
それしか方法はなかったとも言い訳できる。
故にウィルは仕事中でも娘や息子の監視をし、電話で指示までする。
当然疎ましがられている。
そして、「ゴライアス」 政府の監視システム
ゴライアスはアメリカ国土安全保障省(DHS)が運用する極秘の監視プログラムで、地球上のすべての人間の行動をリアルタイムで監視できる能力を持っている。
そしてこのゴライアスという名称は、映画『スノーデン』(2016年、監督:オリバー・ストーン)に登場する架空のシステムとして描かれているが、これは実際にスノーデンが暴露したNSAの監視システムの象徴的・比喩的な表現と考えられている。
この一貫したシステム上の設定をこの作品に使用しているのが面白さのひとつだろう。
「宇宙戦争」では、人間そのものが宇宙人の食料とされた。
しかしこの作品では、彼らはデータそのものを食料としていた。
その背景にあった生物とサイバーのハイブリッド
昨今開発されたナノボット
そして陰謀論であるところの「この地球に山や森は存在しない」 動画のタイトル
この考察を簡単にいうと、大昔の地球には炭素がなく、巨大化した木々はすべてシリコーンで出来ていて、だから地球に来たタイタンたち(巨人)は半導体の材料のためにすべての木々を切り倒し、資源を採掘しつくした。
珪化木とは、シリコーンの木の枝を打ち払った残骸
タイタンたちはシリコーンの生成のために地球に大量の炭素を持ち込み、その後の進化に繋がった云々というもの。
これらのことが下敷きになっているのだろう。
ウィルが追いかけていたディスラプターの正体は息子だったというのも良かった。
反抗軍
政府は政府の都合のために市民を監視するプログラムを組み立て実行していた。
そもそも宇宙人は、地球に存在する集合的意識のようなものに興味を持ち、それを吸収・同化するために来訪。
彼らの母星では、すでに物理的資源は枯渇しており、情報や感情、記憶といった非物質的なエネルギーを糧とする文明へと進化していたということが想像される。
モノクロ写真時代とデジタル時代の人類の「データ」量は遥かに大きく巨大になっていた。
政府は彼らを誘い込むようにゴライアスを敷いて「餌」を撒いたのだ。
それは、政府が宇宙人に対し交信または取引を試みたと示唆されていた。
ここがこの作品のわかりにくい点で、そのことと政府を相手に戦う ー 宇宙人を撃退するという具合にロジックがつながりにくい。
ここだけが惜しい点だった。
ウィルは息子のディスラプターと手を組んで、宇宙人をウィルスで撃退することを試したが、ハイブリッドである彼らにコンピュータウィルスは効果がなかった。
だから「データを共喰い」させて消去してしまう、昔のウィルス「ラビット」を直接ゴライアスに入れることを考えついた。
そこだけが「アクション」になっていて、その他はすべて「机上」というわけだ。
ここがこの作品のボーリングな部分で、受け入れられない人が多い理由だろう。
当然ミッションは成功し、宇宙船は「宇宙戦争」のように崩壊する。
最後に主人公はヒーローになるが、アメリカ国土安全保障省(DHS)の新長官代理のオファーを断る。
「市民を監視するシステムではなく、あなた方を監視する側に回る」
この言葉こそ、この作品が最も伝えたかったことだった。
最初からそこだけに焦点が絞られ、この言葉のためだけに作品が作られている。
なかなか痺れる言葉だった。
終わりなき戦い
地球に接近してきた月の四分の一の大きさを持つ小惑星の衝突を防ぐべく、宇宙船にて爆破に向かった精鋭部隊。しかし小惑星は地球侵略を目論むエイリアンの拠点であり、彼らの母星とを結ぶポータルであった。部隊は早々にエイリアンの母星への舞台変更を余儀なくされる。
週末を一緒に過ごす約束を反故に、娘を独り家に置き去りにし、火災現場へとかけつける消防士の男。取り残された住人をアクロバティックに救出したのも束の間、エイリアンの侵略という予期せぬ事態に見舞われ、離れ離れになってしまった娘を救出すべく奮闘することになる。
地球を守るために人類を救うために躍動する精鋭部隊と、ただただ娘を救出したいがために斧をぶん回すお父さんを中心に、それぞれの母星を舞台に人類とエイリアンとの戦争を描いていく...
原題から「オール・ユー・ニード・イズ・キル」(2014) への意識は明白で...
小さくは親と子、大きくは人類という種、侵略に見舞われたことでの人類側が戦いに打って出る動機を丹念に描き出しつつ、ホーム&アウェー方式を採用したことでエイリアン側にも人類と同様のソレを見出させ、繰り返されるだろう悲劇...終わりなき戦いを憂う、といった目論見なのだと思うが、
人類を二手に分けて描いている事象を、彼らの生態系では一括りにしていたり、侵略の目的が明確であっても、それを達成する上で講じている手段が至極不明瞭であったりと、人類とエイリアンの双方で通じにくくなっている様に感じる。
仮に「同じ」ではなく「違い」を描きたいのだとしても、エイリアンたちがこれまでに地球以外の場所で人類以外の種にもたらしてきた絶望に対する、人類に見出されるべき希望が一切描かれていないので、それはそれで厳しい...
俺たちの戦いはこれからだ!!
「インデペンデンス・デイ」シリーズ...「エイリアン2」(1986)...「アルマゲドン」(1998)...「ディープ・インパクト」(1998)...「宇宙戦争」(2005)...「キングダム 見えざる敵」(2007)...「沈黙の惑星」(2008)...「インデペンデンス・デイ2014」(2013)...「オール・ユー・ニード・イズ・キル」(2014)...「インデペンデンス・デイ2016」(2016)...「オキュペーション 侵略」(2018)...
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