「ケイト・ウィンスレットを堪能した」アンモナイトの目覚め エロくそチキンさんの映画レビュー(感想・評価)
ケイト・ウィンスレットを堪能した
ケイトとともに歳を重ねたこの20数年、一本一本大切に観てきた。皺やお肉さえも愛おしい。若い人たちにはただのおばちゃんなのだろうか。
時は1840年代、イギリス南西部の海沿いの町ライム・レジスが舞台。ケイトが演じたメアリー・アニング(1799-1847)は実在した古生物学者だったのですね。
今作はメアリーのアンソロジーではなく、四十を過ぎた彼女の心の揺れを丁寧にすくい取る私的な作品。世間と距離を置く孤独な生活、表に出すことのできない性的マイノリティーの苦悩、抑えることができない恋心を繊細にとらえた。
シアーシャ・ローナンが演じたシャーロットと心を通わせる瞬間の高揚感がたまらんかった。ダークなトーンが色彩を帯び光り輝いた。
これは素晴らしい作品だった。出ずっぱりのケイトを堪能した。『愛を読むひと』のような衝撃はないにしろ、じんわりしっかり沁み入る秀作でありました。
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