「波の音に掻き消されそうなほど静かな物語」アンモナイトの目覚め カメさんの映画レビュー(感想・評価)
波の音に掻き消されそうなほど静かな物語
個人評価:4.0
この物語をこの2人が演じてくれて本当によかった。ローナンとケイト・ウィンスレットでなければ、ガラスの様に壊れやすく、波の音に掻き消されそうなほど静かな物語を演じきれはしなかっただろう。
生なる声よりも、死に満ちた化石に耳を傾けるメアリーに対し、宝石の様に輝く若いシャーロット。お互い欠けた心を補完し合うその様が、憂いながらも、まるでクラシック音楽を聴く様に心地よい。
化石と冷たく固まった心をメタファーのように対比させ、純文学の様な作品。
ただ恋愛を語るにはさらに踏み込んだ展開が必要なので、あくまで化石と心の比喩を描いた作品だと感じる。
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