「【奥底に眠るもの、自立】」アンモナイトの目覚め ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)
【奥底に眠るもの、自立】
東北の中央を南北に貫く奥羽山脈は、東西圧縮で隆起した数百万年前の地層だ。
僕の友人のお父さんは、建設省(当時)のお役人で、ここのトンネルや道路工事を管理していて、土砂から見つかる貝の化石をよく家に持ち帰っていた。
僕はそれを、その友人と、僕の見つけた土器の破片とたまに交換していたが、それは、今、僕達が見る貝とほとんど同じような感じだった。
これに対し、北上山地は、ユーラシア大陸から切り離された何億年も前の古い地層で、その東北部に位置する宮古周辺ではアンモナイトが見つかると聞いたことがある。
イギリスでは確か同性愛が法律で禁じられていた時代があって、1800年代は、そうした時期だったのかもしれない。
古生物学者としての仕事にひたすら向き合ってきたメアリー。
裕福な家に嫁ぎ抑圧された生活を送って来たシャーロット。
アンモナイトは、ふたりの意識の奥底に眠る同性愛の心のメタファーだろう。
化石の発掘や、洗浄など地道で、ある意味、退屈な作業も、実は、この頃の女性の抑圧された生活そのものを表しているのではないだろうか。
しかし、見落とされがちな、気が付かないところには重要な化石が眠っているように、自分にも気が付かない秘めた意識があるかもしれないのだ。
イギリスの田舎の寂れた家でのレズセックスは激しくも、どこか切なさが残る。
エンディング。
シャーロットの申し出を拒絶するメアリー。
この作品には、女性同士が恋に落ちるという同性愛の物語に、女性の自立とは何かという問いを更に投げかけているのだ。
ワンコさん、コメントありがとうございます。
石川県の感染者数も大変なことになってます(人口比で)。
4本立て続けに見ましたけど、最終の『JUNK HEAD』が市松模様ながらほぼ満席。誰も笑わずに観てましたけど、咳する人がいるとついつい・・・こわっ
ワンコさん、コメントありがとうございます。「燃ゆる女の肖像」までには至らない作品だと私も思います。ただ、ウィンスレット&シアーシヤの役者力は凄いと思いました。