ブラック・ウィドウ 裏切りの代償のレビュー・感想・評価
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自業自得…
過去を隠しながらもカナダのレストランで真面目に働く中年女性。しかし、家族にも居場所を知られないように身を隠している。何に追われているのか?実は麻薬や、殺人で罪に問われ、死んだと思われたオランダのマフィアだった。そんな始まりに期待感を持ったのだが、彼女の3人の子供やその仲間、過去のメキシコマフィアとの関係の説明がほとんどないため、名前が出てきても全く分からず、入り込めなかった。。3人の子供も母親に愛想が尽きてると思いきや、脱獄させるため、覆面被って襲撃するし、堅気でなく、犯罪一家。メキシコマフィアもオランダの刑務所襲うくらい、めちゃくちゃだし、どんだけ強力なんだよと。結局息子に母親を殺させて、メキシコマフィアは復讐果たすけど、感情移入できてないので、自業自得な気がした。ラストの子供へのビデオメッセージ、裏切り者への制裁も蛇足。
MCUのブラック・ウィドウを待ちわびているなか、ついついタイトルに惹かれ・・・
なんだこりゃー。もう登場人物多すぎ。カナダのダイナーマリアという偽名を使っていた麻薬女王カルメンは、死んだことになっていたのに銃撃戦に巻き込まれたため本国に強制送還されることになった。さっそく裁判にかけられるが、罪状は過去に殺した麻薬カルテルの主要人物4人についての公判だった。証拠がほとんどないため、彼女の自白を取るしかなかったので、カルメンの息子ルース、ボリス、娘ナタリーと面会させるという取引をした警察側。しかし、公判が始まると、裏にいる黒幕によって・・・という展開。
麻薬カルテルに絡む映像が全く無くて、カルテルの男たちの争いのみが描かれる。この映画だけでは想像するしかないのですが、さすがに動機だとか経緯が全くわからないので面白さ半減。描かれるのは家族愛と警察・司法側がマフィアを必要悪として容認している腐った社会だけだった。
で、殺したのは誰なのよ?といった謎の解答を得るためだけに最後まで見ることができたのですが、これが冒頭のメキシコ人の大物の夫人が自殺するシーンに隠されていた。父親を殺された復讐心に燃えるアンヘリカの執念。そして家族ともども告白させ懺悔させるといった終盤にはマタドールの闘牛が登場し、今年が丑年であることを思い出させてくれた・・・
このアンヘリカの復讐シーンがとりあえず見どころの一つで、こうすれば万事解決、復讐の連鎖も起こらないんだなぁ~などとビックリした。数多い男社会のマフィア作品と比して、女帝であることの希少価値はあるかもしれません。ただ、好きにはなれないなぁ・・・
血脈の精算
オランダの公共放送KRO-NCRVで2010年から7年、5シーズンまで放送されたカルメンと言う名の女マフィアが主人公の犯罪ドラマ「ペノザ(裏社会)」の劇場版。さしずめ日本の「極道の妻」シリーズのようなものなのでしょうか、テレビでは溺死とされていた主人公がカナダに逃亡、生きていたとされ新たなエピソードを追加し「ペノザ最終章」として映画化され、母国では興業的にも当たったようです。
オランダと言うと風光明媚で穏やかなイメージでしたが今やアムステルダムはロンドンに次ぐ犯罪都市の汚名を冠しているそうな、確かに性や薬物に関してはオープンな政策だし、国の犯罪取り締まり姿勢も甘く市民の信頼は薄いようだ、実際に愛犬を殺した住人をマフィアが仕置きしてくれるなどの事件もあるようで必要悪として見ているとするとマフィアものが受けるのも頷ける気がします。
アクションもそれなりにはありますがテーマは主人公の辿る悲劇性にあるのでノワール系です。
心ならずも殺された夫の裏稼業を引き継いだブラック・ウィドウの悲劇の物語、残念ながらTVシリーズは見られませんのでカルメンが女ボスに至る詳しい経緯や家族の肖像、抗争の有様は想像するしかありませんので母国の観客より思い入れは薄くなるのは致し方ありませんね。
マフィアの血脈ものでは「ゴッドファーザー」という名作があるので見劣り感は否めませんが血を血で洗う裏社会のおぞましさ、復讐に燃えるメキシコマフィアの娘もまた自分と似たもの同士といった、運命に翻弄される女性にフォーカスを絞った点ではドラマチックでした。
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