「血脈の精算」ブラック・ウィドウ 裏切りの代償 odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
血脈の精算
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オランダの公共放送KRO-NCRVで2010年から7年、5シーズンまで放送されたカルメンと言う名の女マフィアが主人公の犯罪ドラマ「ペノザ(裏社会)」の劇場版。さしずめ日本の「極道の妻」シリーズのようなものなのでしょうか、テレビでは溺死とされていた主人公がカナダに逃亡、生きていたとされ新たなエピソードを追加し「ペノザ最終章」として映画化され、母国では興業的にも当たったようです。
オランダと言うと風光明媚で穏やかなイメージでしたが今やアムステルダムはロンドンに次ぐ犯罪都市の汚名を冠しているそうな、確かに性や薬物に関してはオープンな政策だし、国の犯罪取り締まり姿勢も甘く市民の信頼は薄いようだ、実際に愛犬を殺した住人をマフィアが仕置きしてくれるなどの事件もあるようで必要悪として見ているとするとマフィアものが受けるのも頷ける気がします。
アクションもそれなりにはありますがテーマは主人公の辿る悲劇性にあるのでノワール系です。
心ならずも殺された夫の裏稼業を引き継いだブラック・ウィドウの悲劇の物語、残念ながらTVシリーズは見られませんのでカルメンが女ボスに至る詳しい経緯や家族の肖像、抗争の有様は想像するしかありませんので母国の観客より思い入れは薄くなるのは致し方ありませんね。
マフィアの血脈ものでは「ゴッドファーザー」という名作があるので見劣り感は否めませんが血を血で洗う裏社会のおぞましさ、復讐に燃えるメキシコマフィアの娘もまた自分と似たもの同士といった、運命に翻弄される女性にフォーカスを絞った点ではドラマチックでした。
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