ブロー・ザ・マン・ダウン 女たちの協定のレビュー・感想・評価
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女性は悩むが弱くはない
とある漁村の犯罪と黒歴史を絡めた姉妹の葛藤のドラマ。ブロー・ザ・マン・ダウンは「男を吹き飛ばせ」で、「女たちの協定」の邦題どおり若手から老婆まで女性が中心の映画。
孤島の漁村に暮らすプリシラとメアリー・ベスの姉妹、妹が酒場で知り合った男ゴースキーに襲われ抵抗して殺してしまう。姉妹は協力して遺体を海に沈めます。同時期に売春宿を営み町の長老でもあるエニッドの娘ディーが殺され警察が動き出す。ゴースキーはディーと盗まれた大金を探していたエニッドの手下でした。エニッドはゴルスキーの家で血のついたプリシラのナイフを見つけ、プリシア姉妹を脅します。かって、姉妹の母やその友人たちが娘を卑猥な漁師から守るためにエニッドに売春宿を開かせたと言う黒歴史。確かに漁師の歌は暴力的で聞くに堪えなかった。
本国では高評価だったようですが、私には漁村に馴染みが無く犯罪ミステリーとしては雑味が多く今一でした。
邦題ネタバレっぽいよね
漁港の男社会で生きる女たち
田舎が嫌で家を出て大学に通っていた次女と真面目で母の魚屋を継いだ長女。母の死によって次女が帰ってくるが、その夜、正当防衛で町の男を殺してしまう。警察に届けようとするも、姉妹で死体を冷凍ボックスに詰めて海へ捨てる。しかし死体を切った魚屋の名前入りのナイフをどこかになくしたことに気付く。
次女が殺した男の家にナイフを探しに行くとナイフの代わりに大金を見つけ、盗む。
男社会の港町には皆が安心して暮らすため売春宿があった。残った1軒を今も経営している女性は他の町の女性達の輪に入らずに暮らしていた。彼女も同じ男の家に金を取りに行くが金の代わりにナイフを見つける。
朝、港から死体が引き上げられたが、それは若い女性だった。次女の幼なじみで、宿で働いていたため、宿の経営者の女性に疑いがかかる。
田舎町のおっとりとした地縁のコミュニティと変わりゆく現代社会の狭間で生きる人たち。何となくツイン・ピークスも連想するアメリカの一場面だった。
妹の成長は?
重さと軽さのバランスが良いサスペンス。
しっかり者だけどミステリアスな姉と、能天気だけど難局を乗り切っちゃう妹。
時にぶつかり、時に協力する彼女らを応援するような気持ちで見てた。
割と飛び道具的な設定も最後には上手いことまとめられたと思うし、
何よりラストシーンが秀逸。
ある意味でムラ社会って言うんだろうけど、真っ当に生きてればきっと救いはあるって感じで。
難点を挙げるなら全体のテーマが弱いことだろうか。
姉が何か吹っ切れたのは分かるけど、妹の成長がいまひとつと言うか。
はじめに提示される具体的な課題に対して、
彼女なりの意志が見えると、個人的にはもっと好きな作品になったかも。
それにしても、舞台を港町にしたのは大正解だったと思うなぁ。
女性たちの友情?
罪の意識と自己保身
ある港町で、正当防衛から衝動的に人を殺めてしまった女が、姉と一緒に事件を隠し通そうとするストーリー。
付きまとってきた男を殺してしまった。
なんとか隠蔽しようと遺体をクーラーボックスに隠し海に沈める。
クーラーボックスに隠す際、腕が邪魔で入らなかったためナイフで切断。
このとき使用したナイフを失ってしまう。これが後に事件を左右する鍵となる。
売春宿のオーナーにナイフを見つけられ、慌てる姉妹。
自首しようか迷うも、盗んだ金とナイフを交換しようと取引を持ちかけられ、自首を撤回する。
なんとか隠し通せると睨んだ姉妹は、警察から容疑をかけられるもしらを切り通す。ついにはバーの客の目撃証言から姉妹が犯人でえると確信する。
その証拠に警察は密かに姉妹に想いを寄せていたが、「今は嫌いになった」とつぶやくシーンがある。
結局、本作では姉妹は逮捕されることはなかったが、警察の捜査により、容疑が固まりつつあったため、捕まるのは時間の問題と思う幕引きであった。
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