「復讐のはずが、仕組まれた復讐だった」ブラッドショット としちゃん(≧∇≦)さんの映画レビュー(感想・評価)
復讐のはずが、仕組まれた復讐だった
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『ブラッドショット』、最初は完全に“妻を殺された男の復讐劇”だと思ってた。
ところが、途中でまさかの展開。実はレイ(ヴィン・ディーゼル)の記憶そのものが操作されていたっていう衝撃の事実が明かされる。
この瞬間、一気に作品の見え方が変わった。単なる復讐映画じゃなくて、“誰かに操られている自分”と戦う話になっていく。
ハーティングはその元凶。自分にとって邪魔な相手を、レイの記憶を書き換えて“妻の仇”に仕立て上げ、利用して殺させてたっていう最低のやり口。
しかも、部下のKTが人工呼吸装置で命をつないでいるのを逆手にとって、スイッチ一つで支配するっていうのも本当にクズ。
彼女の表情からも、恐怖と諦めの入り混じった複雑な感情が伝わってきた。
そんな中で空気を変えてくれたのが、途中から登場するウィガンズ。
このキャラがまたいい。ちょっと軽口を叩くタイプなんだけど、実は超天才エンジニアで、ハーティングのシステムを軽々とハッキングしてしまう。
深刻な空気の中でも笑いを入れてくれるし、何より“味方でいてくれる安心感”があって、物語の後半を支えてた。
最後は、レイ、KT、ウィガンズの3人が一緒に走り出すシーンで締めくくられる。
行き先もわからない、でも自分たちの意思で生きるっていうラストがすごく良かった。
レイにとっては“自分の人生を取り戻す”っていう意味で、復讐よりもずっと大きな勝利だったと思う。
記憶を操られた男の戦いが、“誰かのための復讐”から“自分を取り戻す物語”に変わっていく。
テンポの良いSFアクションだけど、意外と心に残る人間ドラマだった。
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