ワインは期待と現実の味のレビュー・感想・評価
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理想と現実
映画はどうしてもドラマチックな展開にしてしまいがちだが、この作品は展開がリアルで、周りにいそうな青年を描いているという意味では評価できた。
大人になれば、バーベキュー屋をやりながら接客やマリアージュを学んでソムリエ試験を受けたほうが、金銭的にも精神的にもよいと思えるのだけど、いきなり上記資格(マスターソムリエ)を狙うのも、若気の至りで観ていて痛々しく(自戒を込め)感じられる。そういった意味で、主人公は真面目で一生懸命なんだけど、共感はできなく結局試験に不合格なのも、一回諦めたワインスクールに入り直すのも、なんか現実的だなあとしみじみしてしまった。でも後味は、映画として観たかったのはこれではない感に溢れる。
それにしても日本語タイトルがほんとそのまんまで(苦笑)
あとテイスティング能力高いなと。国、品種だけでなく生産者やビンテージまで当てるのは、相当訓練しないと難しそう。。。
ヒップホップとワインは新しい。親子はバローロなんだね。
こんなワイン映画初めて
ここ数年、ワインをテーマにした映画は数多出てきたけれども、BBQレストランを営む黒人の息子、とは異色すぎる設定。
ワインの映画といえばフランスのブドウ畑。この映画で出てくるのはアメリカの片田舎、ワインとは無縁に見える風景。流れる音楽もヒップホップ。
父親は息子に店を継がせたいものの、そこまで無理強いするわけでもなく、最終的にはガンでこの世を去ってしまう母親の息子への渾身のサポートもあり、最終的にはちょっとしぶしぶながら、息子のソムリエになる夢に加担する。
激烈なぶつかり合いも、観るものに涙させるやりとりなんかも特にないのだけど、親子がちょっとずつ心を通じ合わせていく過程がいいです。
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