劇場公開日 2022年11月11日

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「令和の小津安二郎映画かな」わたしのお母さん 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)

1.0令和の小津安二郎映画かな

2023年6月12日
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鑑賞方法:DVD/BD

寝られる

杉田真一監督作品脚本作品初鑑賞
脚本は他に『ビブリア古書堂の事件手帖』『みをつくし料理帖』の松井香奈

早いうちに夫を病気で亡くし女手一つでまだ幼かった子供3人を育てた母
3人はやがて大人になり長女と長男は結婚していた
子育てを終え一軒家で息子夫婦と孫娘と暮らしていた母は放置していた天麩羅油が原因でボヤを起こしてしまう
勝はおそらく仕事で勝の妻は延滞のDVDを返しにレンタルビデオ店に外出中の出来事だった
まだ赤ん坊の孫娘と母は無事だったが4人家族はホテルで暫く暮らすことに
なんやかんやで母は長女夫婦と同居を始める

映画comの平均的なレビュアーなら「つまらなかった」「眠ってしまった」「1800円払う価値は無かった」「時間の無駄だった」などとTwitterやLINEのように短めに書いて終わりの作品だろう
観なきゃいいのに毎度毎度飽きもせずビビさんが酷評する典型的な邦画といえる

確かに眠くなる
つまらない
俳優は悪くない
脚本を兼ねた監督が全て悪い
映画館で観たらまた違ったかもしれないが

テンポが悪い
序盤のボヤと終盤の母の死まで特に何もない
映画は娯楽だ
娯楽に必要なものが何もない
大学生が撮影した自主映画ならともかく商業映画でこれはない
東京テアトルどうした
観た僕がレベルが低いだけか
東京の高尚な人たちはこれを観て素晴らしい映画だと高く評価できるのか

10代の時に観た小津安二郎映画を思い出した
それ以来観ていないが原節子と笠智衆と杉村春子が出ていた映画だ
たぶん東京物語かもしれない
杉田監督からすればそれだけ聞けば昭和の巨匠と同格かのように扱われ褒め言葉に聞こえこそばゆく感じるかもしれないが決して褒めてはいない

それにしても母の死は唐突だった
おそらく長男夫婦の元に戻った矢先だったのだろう
母の死を冒頭に持ってきて母との思い出話を淡々と進めていけばますます凡作になっていたかもしれない

弟には娘がいるが姉には子供がいない
夫婦仲は悪いわけではなく(悪くてもできるけど)子供ができない体質なのかあえて子供をつくらないのか
おそらく母親の立場になることに一抹の抵抗感があるのかもしれない

仙台では当時フォーラム系の映画館で上映されていたと思うがスタンプ会員で1500円だけど少なくともこの内容だと・・・

ただ言えるのは親子の関係は一生変わらないんだろうな
それが煩わしくなり子は疎遠になるんだろう
第一子じゃなくても長男が面倒を見ることになるのが必然で長男の嫁(敢えて「嫁」と使わせて頂く)って相当の覚悟が必要だなと

観る側がどのように生きてきたかで感想がだいぶ変わってくるかもしれない
だとすれば僕はあまりにも空虚な人生を送ってきたんだなと思う節もある

それにしても芸名がぎぃ子ってなに?
たぶん子供の頃からのあだ名を芸名にしたのだろう
30過ぎで芸名がぎぃ子って・・・
名前を連呼するだけで日曜大工みたいで笑っちゃう
ケロタンと兄弟分のガーコと関連性はあるのかな
「ー」でもなく「イ」でもなく「ィ」になにかしら彼女の拘りを感じる

配役
長女の夕子に井上真央
夕子の母の寛子に石田えり
夕子の妹の晶子に阿部純子
夕子の弟の勝に笠松将
勝の妻にぎぃ子
夕子の夫に橋本一郎
夕子が働くスーパーの店長に宇野祥平
母と娘2人が訪れた和菓子店の従業員に大島蓉子

野川新栄