「30代半ばで三人きょうだいの長女・夕子(井上真央)。 弟夫婦と実家...」わたしのお母さん りゃんひささんの映画レビュー(感想・評価)
30代半ばで三人きょうだいの長女・夕子(井上真央)。 弟夫婦と実家...
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30代半ばで三人きょうだいの長女・夕子(井上真央)。
弟夫婦と実家で暮らしていた母・寛子(石田えり)だったが、ボヤを起こしたことから、夕子の方で一時引き受けることになった。
が、明るくて社交的、外面のいい母のことが苦手だった夕子にとっては、しばらくぶりの母親との同居は苦痛だった。
とはいえ、そんなことを言い出せるはずも、もやもやとした思いは募る一方・・・
という話で、ま、それだけの話で、1時間40分以上の長編映画に仕立てるにはかなりの難物。
大きなエピソードはなく、夕子と母親の静かな確執をじっくりとした演技でみせるのだから、映画館の暗闇の中で観るのが適切。
そんな母と長姉との確執にアクセントを添えているのが、二女・晶子(阿部純子)。
もう30歳を過ぎての独り身とあって母親の心配は大きい(この設定自体は古臭いが)。
しかし本人はどこ吹く風。
地味な顔立ちの割には明るくて社交的で、母親の分身のような存在。
母親にとっても二女は可愛いのだけれど、反りが合わないが実は長姉・夕子のほうが可愛くて仕方がないというあたりがなかなか面白い。
長姉・二女・母親と女三人で温泉旅行に出た後、何の前触れもなく、母親が急逝。
茫々たる気持ちが夕子の心に渦巻くラストは、少し『東京物語』を思い出しました。
映画としては悪くないのだが、やはり物語に起伏が乏しく、短編小説ならOKなのに・・・と思わざるを得ないところが惜しいです。
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