「面白かったけど消化不良感の残る映画だった」カオス・ウォーキング マスコミ試写さんの映画レビュー(感想・評価)
面白かったけど消化不良感の残る映画だった
トム・ホランド、デイジー・リドリー、そして僕の大好きなマッツ・ミケルセンも出てるSF映画ということですごく期待して観たが、うーん、なんかすごく消化不良な印象の映画だった。以下、僕がモヤモヤしてしまった点
◯「ノイズ」をいかした駆け引きや戦闘シーンが少ない
この「ノイズ」という現象こそがこの映画の設定の肝だと思うのに、それがうまくいかされていない印象だった。戦闘シーンで使われてたのはプレンティスがトッドをおびきよせるための分身のところくらいだったし、ベンおじさんが2人を逃すシーンはヴォイオラがノイズで作り出した幻だということがすぐに読めてしまった。冒頭でノイズをヘビや柵に変えたりしてたので、もっとああいうのを使った迫力のある戦闘シーンが見たかった。ここが一番残念だったポイント。
◯主人公なのにトッドのノイズが強くない
デイジー・リドリーの顔を見ていると、はるか彼方の銀河系での超強い超能力者を思い出すからなのか、トッドのフォース、じゃなくてノイズが強くなくてがっかりした。こういう場合、みんな主人公の秘めたる才能を期待すると思うし、プレンティスが小さい頃から優秀だと言ってたのはなんだったのか。愛犬を殺された怒りで眠っていた力が目覚めるかと思ったら眠ったままだった。プレンティス倒すところも、自分で出したというよりはなんか勝手に女の人の霊がたくさん出てきたなって感じで、プレンティスもビビって落ちて終わりってのはどうなんだろうか。分身いっぱい出せるってことはノイズの力強いのかな?どうやったらノイズを制御できるようになるのか、とか強いノイズを操れる人は何ができるのか、とかそういうところの説明がもっと欲しかった。トッドのノイズが一番強くなったのは間違いなく好きな女の子にキスするという中学生みたいな妄想の時だった。でもトッド、さすがに壁登るのはうまかった。赤い全身タイツは着てなかったけど。
◯黒い先住民族エイリアンの出番が少ない
あの名前忘れたエイリアンが、単にプレンティスのウソを成立させるためだけのスケープゴートとして登場したような印象を受けたので、もっとストーリーに絡んできてほしかった。トッドが逃したあいつは片腕がなかったので、エイリアン村に2人が行った時にそれを目印に多くのエイリアンの中からそいつを発見して…殺さなかったから恩返しされてピンチを助けられて…とか勝手にストーリーを想像してしまったのにそのあとまったく出てこなかった。悲しい。
他にも神父ノイズはめっちゃ強そうなのに弱いな…とか気になったところは色々あった気がするけど、前髪下ろしたデイジー・リドリーが可愛かったので全て許して⭐︎3.5!
あと個人的には、ラストに向けてあれだけキスのくだりを振っていて、最後にするかするかと思いきやしないところも安易じゃなくて良かった。
あと、男だけノイズが出る理由や、プレンティスと神父が女を殺した理由みたいなのもよくわからなかったのでもう少し説明してほしかった。
内心が読まれるってことが女の人殺す理由になるのかな?それによっていろんか争いが生まれたとか?プレンティスは息子いるってことは奥さんいたはずなのに、奥さんも殺したのかな?うーん、疑問がたくさん残る。