「|あらすじ KGBによって作り上げられた最強の暗殺者アナ(サッシャ...」ANNA アナ クラゲ男爵さんの映画レビュー(感想・評価)
|あらすじ KGBによって作り上げられた最強の暗殺者アナ(サッシャ...
|あらすじ
KGBによって作り上げられた最強の暗殺者アナ(サッシャ・ルス)が、ファッションモデルやコールガールに姿を変えて次々とロシアの敵を暗殺していく。だがCIAに彼女の正体を察知され、自由を手にする代わりにKGB長官を暗殺するという危険な取引を持ち掛けられる。自由を求め、二つの国の諜報員との恋に揺れるアナの運命は…。
という感じの、リュック・ベッソン監督のスパイアクション最新作です。
|ポイント
・騒動後のリュック・ベッソン・ジャンル映画としての停滞感・内容はまぁ面白い
9人の女性からセクハラ・婦女暴行容疑で訴えられるスキャンダルが発覚したリュック・ベッソン監督と、前作『ヴァレリアン』の興行的失敗でヨーロッパコープ(リュック・ベッソン自身が立ち上げた会社)が一発逆転するための放った作品です。そういう意味では結果に繋がらずに残念な作品となってしまいました。また『モデルが暗殺者』という設定も、”騒動後”の監督作品としてみると、性癖がチラつき過ぎて複雑な感じがしたんですよねw。
|感想
今の時代の流行り(アクションや時系列の編集など)を取り込みながら、監督自身最強のカードである『モデルっぽい女性が暗殺者』ジャンルで、ヒット間違いなしだったはずの映画でしたが、観終わった後に感じたのは『監督自身の古さ』でした。既視感のあるストーリー、多様性をアピールする凡庸なジェンダー観、二人の男に揺れ動く女性というベタな恋愛模様すらアップデートされていない感じは、こだわりというよりかは時代とのギャップを感じて、寂しさすら感じられました。
まぁでも超絶つまんないかというと、そういう訳でもなく『いつものリュック・ベッソンの作品』となっていてそこそこ楽しめる所が、余計に悲しかったりするんですよね。
|その他
その後リュック・ベッソンが設立したヨーロッパ・コープは民事再生法の手続きを申請。この作品が監督自身の醜聞の救ってくれることは無かった訳です(裁判は証拠不十分として不起訴になったらしいですが)。
『レオン』も『グランブルー』も大好きだったのに、リュック・ベッソンという人のイメージはいつの間にかかって抱いていたイメージとは乖離し、やはり『中二病』に魅せられるのは怖いなーと思いました。個人的には『フィフス・エレメント』で好き勝手やったのだから、あの時に引き返せればよかったのにねーと今でも思うんですよね。
そういう意味では『中二病』と『現実』とのバランスをうまくとっているクリストファー・ノーラン監督には、これからも頑張って欲しいところですw。