「映画製作と公開の時期がどうにもついていなかった、松竹100周年映画」キネマの神様 けいちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
映画製作と公開の時期がどうにもついていなかった、松竹100周年映画
せっかくの松竹100周年映画ですが、如何せん時期が悪すぎました。本当はもっと違った形の映画になる予定であったと推察されます。山田監督に同情します。
煽り文句の日本版ニュー・シネマ・パラダイスとは全然思えません。それでも見どころは多数ありました。まず、北川景子さんがとにかく良かった。最初は本当に昭和20-30年代の僕の知らない女優さんかしら?と思うくらい、話し方、雰囲気、すべてが原節子を彷彿とさせてくれて、彼女の演技が圧巻でした。そして永野芽郁さんもゴウと話すときの視線、表情とも素晴らしく、切ない可愛らしさが存分に出ていました。5月に「地獄の花園」も鑑賞しましたが、今回のような役の方が彼女の良さを引き出していると思います。小林稔侍さんも良かった。稔侍さんは友情に篤い役をやると「鉄道員」もそうですが、天下一品です。
ところで代役を引き受けた沢田研二さんはどうかというと・・・沢田研二さん主演の映画は、僕の記憶が正しければ、1988年、日活がロマンポルノ路線と決別し、普通の封切り映画を再開したときの第1作「リボルバー」以来だと思いながら、本作を鑑賞しました。当時僕はロッポニカで鑑賞しましたが、ジュリーって基本歌手であり、正直演技は微妙、と感じていました。33年経過して、今回もやっぱり・・・微妙でした。でもプライドの高いジュリーが本作で東村山音頭を歌う場面はなぜだが無性に涙が流れました。
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