劇場公開日 2021年8月6日

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「「志村さんで見たかった」と言う声はむしろジュリーにとっては本望ではないのかな。」キネマの神様 永渕油貴子とさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5「志村さんで見たかった」と言う声はむしろジュリーにとっては本望ではないのかな。

2021年8月13日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

かつて沢田研二と志村けんのラジオトーク番組「ジュリけん」での話。
志村さんが不愛想で客の注文を無視して返事もしない偏固な飲み屋のおやじの話をすると、「おれなら帰っちゃう」とジュリー。「なんか面白いネタにならないかと・・・」志村さんの言葉にジュリーが感心していた。ひとみばあさんもこのようにしてできたらしい。

キネマの神様で志村さんはどんなゴウを描いただろうか。
若ゴウの菅田将暉は志村さんを想定して演じたと言ってました。
代役で老ゴウを演じた沢田研二は過去パートを受け止め、志村さんならどう演じるだろうとプランをたてたことでしょう。
ギャンブル狂でアル中、妙に芝居がかった仕草の変な爺さん、何者❓から過去パートへ導入。
溌剌とした若ゴウの登場。撮影所の熱気溢れる風景が鮮やかです。
若ゴウが目指す映画の夢を語る場面と老ゴウが白蛇の夢を見た話をする場面は志村さんも含めた3人のゴウが見えたように思います。
それぞれのパートに志村さんが投影され、リスペクトを感じました。
エンディングに流れた「うたかたの歌」胸にこみ上げてくるものがありました。
皆さんの演技も素晴らしかった。心温まる作品でした。

最後に
「志村さんの、お気持ちを抱き締め、やり遂げる覚悟です。」
あの日から新型コロナと共に歩んだ72歳精一杯の姿です。
詮ないですが、志村さんのゴウが観たかった。
わたしはこの作品を封切り館で"初めて"観ようと思っています。
                     沢田研二

永渕油貴子と