「ジュリーが歌う」キネマの神様 アモルフィさんの映画レビュー(感想・評価)
ジュリーが歌う
見どころは、山田洋次の自虐ネタ?を菅田に言わせるところと、沢田研二が歌うところです。
沢田研二のクズっぷりの割に菅田将暉にはクズ感が全然ない。
ということは、淑子さんは大変な苦労したということなんでしょう。
今では万引きを犯罪だと認識してないようなクズじじいが、昔は才能と情熱にあふれた日々を送っていたという。
やっぱりキラキラしてた時代をいちばん描きたかったのでしょうか。
でも単純にモノクロで昔の出来事を描写するというよりゴウの想い出補正の掛かった昔というか、それに映画業界の栄枯盛衰というか妙に輝かしい映像でした。
特に園子がこの世のものでないような特別な存在で実在するとは思えないほど神々しいのでゴウの中にしかいない女神的ものかとも思いましたが、アイテムが残ってるのをわざわざ見せているのでそういう意図ではないのでしょう。
あと、宮本信子と永野芽郁って全然似てないのにこの人がこうなったという説得力がありました。さすがです。
撮影はナマもの、10をわからせるために7言えばよいとはよく言ったものだと思います。
映画を撮るためにまるでアニメを作るような詳細な段取りを組んではまわりがついていけないということなんですね。
蛇足ですが、エクスキューズに見えちゃうからコロナの描写もいらなかったですね。
最初にも言いましたが沢田研二が見事なクズを演じているのですが、沢田研二は声が良すぎてしまって、あんな声のいいクズはいないよな・・って
でも志村けんの代役を沢田研二がやっているということが重要なんだろう。
昔、志村けんが沢田研二のコスプレをしてたのを覚えてますがなんだか感慨深いです。
結構似てたんですよ。