「良い意味で、時代錯誤な物語」キネマの神様 まだまだぼのぼのさんの映画レビュー(感想・評価)
良い意味で、時代錯誤な物語
映画界に活気が漲っていた時代と、新型コロナウィルス流行も反映させた現代を、どうしようもない奴なのに愛らしい一人の映画人を中心に描いた作品。
飲んだくれでギャンブル依存症の主人公。理不尽に振り回される家族や友人が何故彼に愛想を尽かさないのか。最初は全く理解できませんでしたが、物語が進み彼の人柄や才能が見えてくると、不思議と魅力的に見えてきます。
特に妻の淑子との関係性は非常に昭和的で、令和の夫婦の感覚とは全く異なるものだと思いますが、これはこれで幸せの形なんだろうなと感じました。
一つ一つの描写が丁寧でレトロな雰囲気も良かったのですが、青年期と老年期の間が全く描かれないため、新人監督時代の挫折から78歳に至るまで、どんな人生を送ってきたのかが分かりません。50年分ギャップがあると、ちょっと理解が追いつがない部分も多かったです。
俳優陣は皆さん良かったですが、令和的ではない作風に溶け込みながらも一際光る北川景子さんの美しさが印象的でした。
コメントする