「沢田研二の演技が酷い」キネマの神様 バフィーさんの映画レビュー（感想・評価）
沢田研二の演技が酷い
松竹映画100周年記念作品ということもあって、松竹の撮影所など、懐かしい風景が蘇ることは、映画ファンにとっては嬉しい限りではあるが、せっかく映画をネタとして扱った作品なのだから、松竹映画ネタはもっと散りばめてほしかったところで、撮影やバックステージの内輪的なノリの多いように感じられる。
山田洋次といえば「男はつらいよ」シリーズが代表作ではあるが、近年の作品としては、「家族はつらいよ」シリーズを通して、等身大で王道な「家族」を描き続けてきた。そういった点で安心のブランドが確立していて、今作においてもそれは存分に機能していている。
今作の登場人物たちも映画業界にいながら夢破れて、普通の職についた者たちが多いことから、今回も等身大の物語であるのだ。
いろんなものが入り組んだ映画が溢れている中で箸休めとして観るには丁度良い作品であることは間違いないが、それを前提として言わせてもらいたいことがいくつかある。
劇中で「7を観せて、観客に10を感じさせる」みたいなセリフが出てきて、この映画もメタ的にそうなっているのだが、どうも言い訳に聞こえてしまう。というのもキャラクター描写がひとりひとり薄いのだ。
主人公ゴウの若い頃を菅田将暉が演じているからこそ、少しは深みが出てはいるものの、キャラクター構造としては、なかなか薄い。ギャンブル好きという点は、昔から変わってないという設定だが、若い頃のシーンでギャンブルをやっていたり、不良なイメージが全くなく、逆に映画作りに神経をつぎ込む好青年のようにしか見えない。
かと言って、貧困生活に圧迫されている様子もなかった。だからこそ、せっかく足を突っ込むことができた夢の入口をあっさり諦めてしまうのが、かなり不自然で、無理やり現代パートに繋げようとしているようでならない。
志村けんが亡くなってしまったことで、今作に対してあまり言えない風潮であるのが、メディアなどを通してもなんとなく伝わってくるのだが、あえて言わせてもらえば、沢田研二の演技は酷い。かと言って志村けんなら良かったのかと言われても比較できないだけに、正直わからない。
若い頃のパートに演技派俳優が集中してしまったせいか、現代パートの演技の質が落ちいているような感じもしてしまい、過去と現代のバランスが非常に悪く、現代の方が昭和喜劇臭がしているのは何故だ…
ゴウの孫勇太を演じている、前田旺志郎も自閉症の演技にしては誇張しすぎていて、設定なのか単に下手なのかが判別できないし、キャラクター設定を見ても「コミュニケーションが得意でない」としか書いていない。
志村けんのことも含めて、新型コロナの影響を大きく受けた作品であり、劇中でもコロナ禍の今が反映されているのだが、そのシーンが取って付けたようにしかなっていない。そこから「映画のもつ力」「映画が希望を見せてくれる」というように繋げていくのであれば理解できるのだが、ただ単に付けただけでは意味がない。
映画を題材にしていながら、全体的に「映画愛」が不足しているような感じがしてしまった。
そんな中でも、今作の注目点は北川景子の演技だ。今作で北川景子が演じてるのは、往年の名女優であるが、昭和映画にあった独特のセリフ回しを見事に自分のものにしていて、現代劇では壁を感じてしまう独特の間が丁度よく合っている。
近年でいえば『ファースト・ラヴ』も同様に北川景子は、少し壁があるというか、心を開きそうで開き切っていない、絶妙なキャラクターを演じるにはうってつけの女優だということが、今作で立証されたようにも思えるだけに、今作は菅田将暉含め、若手俳優陣で辛うじてバランスが保たれている作品だ。
とはいえ…私は今作を試写で2回観ている….
だいぶ時間が経ってしまってますが、僕も沢田研二さんの演技は酷いとまでは言いませんが、イマイチかと思いました。沢田研二として演じたのであればですが。
何が言いたいかと言いますと、今回の役は沢田研二が知っている、 志村けんを沢田研二が演じたのではないでしょうか？大吉さんの意見にも志村けんに寄せていってるとありますが、僕もそう思います。志村さんへの想いではないかと思います。
いろいろ沢田研二の演技について議論されてますが、それだけ注目を浴びる方なんだと思います😋
私の率直な感想は、あの英雄、沢田研二が志村けんの代役を演じるということにまずは違和感を感じましたね😅
かといって、映画を壊してしまうほどのひどい演技でもなかったし、まあそれなりに良かったんではないかなと思いました🈵
横から失礼しました(..)
演技は人それぞれで、感じる部分はバラつきがあるとは思います。
どうしても亡くった人に対する優しいフィルターがかかっていて、演技や作品自体の穴までみえづらくなっています。
それをふまえても、
役自体の造形が酷いのは間違いないですよ。
あんなに仲間に恵まれてたゴウが夢を諦めるのを誰も止めない、テラシンもよしこも止めない。映画の監督ができるまで下積みし続けた結果なのに、あっさり諦めてしまう。
なんとなく映画関係の仕事がしたい〜みたいな、若者という点が不良ということだったのかもしれない…
コロナのシーンも、付ければいいってもんでもないんですよ。
この暗い世の中に映画があるから…という明るい着地点にしてもらいたいのに、よくわならない結末…
しかし沢田さんには合わないキャラクターに見えました。
山田洋次作品は基本的にすきでしたが、今作は監督も精彩を欠いているという印象でした。詳しくはレビューを書きたいと思いますが、私はバフィーさんの意見に非常に共感を得ました。
横から失礼します。
私も今作のジュリーさんの演技はすきではありません。
現在の風貌と自堕落なキャラクターは合致しておりましたが、台詞のテンポが早いというか、歳を重ねて生まれるはずの深みが全くなかった。
ジュリーが元気すぎるのでしょうか？
きっと志村けんさんを想定して当て書きされたホンをそのまま沢田に渡したのではないでしょうか。
コメント失礼します
バフィーさんが沢田研二さんにどんな凄い演技を求めていたのか分かりませんが、「酷い演技」と切り捨てるほど悪かったですか？
私は、まあそれなりという感想でした。
沢田研二に何も言えない空気感みたいなものはあります。
この映画に限ったことではないですが、特に年配の俳優・監督に
言いたいことが言えない風潮は映画業界にあります。
志村けんが亡くなったのは、大変不幸なことです。
だからといって作品自体がどうかは別の話であって、
今回の現代パートのキャスティングは失敗だと思います。
松竹映画のスタッフで実際に近年の山田作品に関わった人が
知り合いにいます。山田洋次という人を理解されていないようですが
監督には周りが何も言えない空気が漂っています。
好き勝手とまでは言いませんが、口は出し辛いですよ。
これは一般企業でも上司に言い辛いのと同じですし、特に
縦社会です。松竹幹部だって、ほとんどは山田洋次より下の年齢層で、恩もありますから、かなり自由にさせています。
松竹を支えてきたことも事実ですから、恩恵としてのパワーバランスが
悪いとは言えません。
今回は脚本に問題がある部分もあるので、全体的に問題があったと思います。
作品として仕上がってきたものに「〇〇さんが亡くなってしまった」「作られたことだけで奇跡」という付加価値が付くことで、本質的なことが
ぼやけてしまうのは、少し違っていると思っています。
観られた方の感想は、その人の感想ですから否定する気は一切ありませんし、それが映画です。
「山田洋次に自由にさせていない」とか「沢田研二に何も言えない風潮ではない」とかは、違うということは言わせていただきたい。
これは事実です。
沢田研二さんの演技をどのように思うかは人それぞれだと思いますから貴方は貴方で良いと思いますよ。
私は貴方の評価に文句を言っている訳ではありませんので！
ただ誰も沢田研二さんに何も言えない空気感みたいなものないと思います。100周年のそして山田監督ですよ！好き勝手にやらせているような事があると思いますか？
監督からの要望、指導、沢田さんもしっかり聞いていると思いますし、田中裕子さんにも相談しています。あれはあのように演じるように指導があったと思います。
そうでなければ関係者、共演者、志村けんさんに失礼ですよ。
そりゃもっともっと上手い俳優は沢山います。でも沢田研二さんでないと成立しなかった…志村けんさんが沢田研二さんを選んだのですから…
賛否両論あるとは思いますが、沢田さんのコメントに志村さんの演技を観たかったとありましたよね！沢田さんご本人も相当な重圧の中撮影に取り組んでいたと思います。
色々な思いがあり、皆さん命がけで作った作品です。評価がどうであれ志村けんさんの為に完成し、上映出来た事を皆さんに感謝したいと思います。
有難うございました。
あの演技は自然体ではなく、「演技してます」っていう演技です。
あれが自然体と思うことは私にはできません。
別に私も演技論を偉そうに言える立場ではないですが、あれは酷いこと
ぐらいはわかります。
本来御蔵入りになる作品とありますが、志村けんの周りに執着しすぎであって、別に同じ世代の上手い役者はいっぱいいます。
主役級といったところで沢田研二は長年映画なんて出ていなかったわけですから、沢田研二が悪いというより、そんなところに話を持っていった、キャスティングの問題かと思います。
沢田研二のことに対して、誰も何も言えない圧がかかっていているようでならないので、私があえて言っていますし、この風潮は正しい評価が許されないようでもありますから問題です。
どこかの国の将軍様じゃないんだから...
彼は歌にしても芝居にしても自然体で演じる方です。飾らないところに良い味が出ていると思います。13年ぶり…ブランクは感じませんでした。内田裕也さんいわく「神に選ばれた男」は容姿が変わっても感覚は鈍ってはいないと思いました。本来御蔵入りになる作品！主役級の沢田研二さんは絶対にOKはしませんし、代役なんてもってのほかです！それを志村けんの代役だから受けてくれました。演技力は好みもありますから仕方がありませんが、私は沢田研二さんの志村けんさんに対する想いが詰まった温かい演技だったと思いました。
志村けんさんもお喜びになっている事でしょう！
沢田研二さんに感謝致します。
