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「本物の非正規雇用者には心に響かない」47歳 人生のステータス REXさんの映画レビュー(感想・評価)
本物の非正規雇用者には心に響かない
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あることをきっかけに自分の人生を振り返り、「自分は負け犬なのではないか」と惑い危機感を募らせた47歳の男の物語。
コメディでもない。かといってコメディ要素がないともいえない。
ベン・スティーラーが持ち前のおかしみを醸し出してるため、深刻すぎることにもならない。
はっきりいって、どのモチベーションで観ていいのか戸惑う。
主人公の同級生が夢見るような成功者ばかりでまるでファンタジー。
だからこそ、最後に主人公が彼らの生活も虚飾にまみれてると喝破し自分は自分と割り切るのならスカッとするけども、最後まで片思いのように悶々としたまま終わるので、はっきりいって鬱陶しい。
主人公は市民の代弁者なのだけど、息子はハーバードに行けるぐらい頭脳明晰、友人も明るい妻もいて、マイホームも持ち、端からみれば十分豊かな部類に入るから余計に鼻白む。
若い社員が「金持ちに資金を援助してもらうより、自分で稼いだ方が早い」と仕事を辞めたことがそもそもの発端なのだが、金持ちが遊興に使うところを寄付させてるのだから、ブラッドの仕事だって有意義なはずだ。
金こそ全てという拝金主義にとらわれ、友人クレイグとの食事シーンで本当の負け犬になってしまった。
幸せに気づいていない幸せ者の話を観ても、本物の非正規雇用者には心に響かない。息子の台詞が核心のメッセージなのだろうけど、笑いありで表現してほしかった。
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