「【”ノルウエーのオスロの暗いクリスマスと明るい原宿との対比。”日本のアニメに感化された少女が、母を突然失った悲しみと、日本へ行くという現実逃避を幻想的に描いた哀切な作品。】」HARAJUKU NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0【”ノルウエーのオスロの暗いクリスマスと明るい原宿との対比。”日本のアニメに感化された少女が、母を突然失った悲しみと、日本へ行くという現実逃避を幻想的に描いた哀切な作品。】

2023年11月29日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

難しい

■母子家庭育ちのヴィルデは日本のサブカルチャーに憧れる15歳の少女。
 クリスマスイブに母親とツリーを飾った後、駅で仲間たちと過ごしていると、児童福祉局員が現れて母親が自殺したことを知る。
 ヴィルデは幼少期に離れ離れになった父親アイナルに電話をかける。

◆感想

・ヴィルデは髪を青に染めている。友人の女の子は緑色である。日本のコミケに来るような感じの姿である。
ー 時折、映し出される東京の原宿と思われるシーン。-

・ヴィルデは自殺したと思われる母親の遺体に向かい”ゴメンね”と謝る。
ー そして、挟み込まれる母親が転落するアニメーション・・。-

・彼女は現実逃避の様に東京行きの飛行機のチケットを求め、身体を売ろうとしたりするが一線は超える事が出来ない。
ー 幻想的な、彼女が薬物を少し摂取した際の空中浮遊するシーン・・。-

■救いは、彼女を児童福祉局の前で”知らない”と言った父親が、クリスマスのプレゼントを買うと売って、今の妻に嘘を付きヴィルデに会いに来たり、ラスト、現在の妻と子供を置いて再びヴィルデが佇む駅のホームに来て”もう、偽らない。”と言うシーンであろう。

<ノルウェーは幸せ度ランキング上位の国であるが、今作を観るとそうでもないようである。可なり切ない作品である。>

NOBU