劇場公開日 2021年12月17日

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「MINAMATAと構造は同じです。企業って、組織って、「人間」より偉いのか。」ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男 kumiko21さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0MINAMATAと構造は同じです。企業って、組織って、「人間」より偉いのか。

2022年1月5日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 デュポン社にしてみれば、リアルタイムなこともあり、とんでもなくスキャンダラスな作品だ。わが家のキッチンにもいくつもある、フッ素加工のフライパンは「断捨離か〜?」って、煽られた。新年早々(汗)
 友だちの少ない変人熱血弁護士と、村八分も厭わない捨て身の原告が偶々出会わなかったなら、今もみんな泣き寝入りし続けたのかな。アメリカって、もっと一人一人人権に敏感な国かと思っていたけど、甘かったなあ。
 わかりやすい化学兵器だけでなく、防水防火加工、自然の理に反するものの多くは戦争が産んだ。必要は発明の母。それは確かに人類の英知だけど、やっぱり安全性が担保されてこその金儲け、って人として当たり前のことをさっさと捨象できる異常さ。一概には言えないけどやっぱり当時のビジネス社会=「男社会」ゆえの暴走もあったと思うなあ。
 アン・ハサウェイが無駄に美しいように思えたけど、彼女の作品に対する意思が演技ににじみ出ていたと思う。
 主人公を支える上司役のティム・ロビンスがいい味出していた。
 冒頭で汚染された池で泳いでいた若者たちの体、どうなんちゃったんだか気になる。

Kumiko21