「そろそろ卒業しようかと」名探偵コナン 緋色の弾丸 kkさんの映画レビュー(感想・評価)
そろそろ卒業しようかと
迫力のある犯人、コナンと犯人の一対一の対決はもう描かれることはないんですかね。小物感漂う犯人が引き起こしたトラブルにコナンが超人的な身体能力で対処するというオチに、欠伸が出そうでした。
こういうところが一部のファンから「アクションメイン」と批判される所以なのでしょうが、そのアクションも実に見応えがなく。リニアモーターカーを宙に放り出すというド派手なことをやっているのに、メインテーマは流れず、蘭のピンチはなく、CGのクオリティは低く、「天国へのカウントダウン」の時のような落下に耐えるための工夫も無しに無傷で済み、そんなこんなで全く盛り上がりません。良くなかったとする感想をあちらこちらで見聞きしてはいましたが、実際に観てきて、「今年もアクションメインだった」という批判と「地味でテレビシリーズみたいだった」という批判が同時に上がっている理由がわかりました。
その他のアクションも、身内同士の無意味な戦闘、弾丸の性能頼りの狙撃、一昔前のゲームのPVのような車やバイクと、良くありませんでした。
また、キャラクター描写にも毎年着目しているのですが、上述の身内同士の無意味な戦闘など、赤井ファミリーのやっていることのグダグダ具合が原作そのままだったなあ、と…。原作にて、赤井秀一は同僚らから捜査官としての手腕を高く評価されていたと記憶しておりますが、より優れた頭脳を持つという弟の推理に頼りきっていて、情けなく思いました。それでいて、強みの狙撃も大して盛り上がらなかったと…。コナンの正体に強引に迫る世良は不快でしたが、これもまあ原作通りですね。赤井ファミリー以外では、宮本由美がマトモにラブコメを担当するのかと思いきや、泥酔してみっともない姿ばかり見せつけた上、嘔吐。あまりの扱いの悪さに驚きました。ティザーにまでいる必要があったのでしょうか。
20年弱観てきましたが、非常にハイクオリティなアニメ作品が続々と生み出される中、コナンに拘り続ける意味はもうないな、と感じました。