「赤井一家の無駄遣い」名探偵コナン 緋色の弾丸 mariさんの映画レビュー(感想・評価)
赤井一家の無駄遣い
今の監督は、原作のキャラクターを活かすのがあまり上手くないと思う。前作でもキャラクターの行動にもやっとすることが多く、魅力的に映らなかった。キャラクター同士の掛け合いは面白いと思うが、所謂解釈違いの行動は、どうにももやもやしてしまう。例えば小五郎のひつまぶしのシーンなど。
先日「書けないッ?」という脚本家が主役のテレビドラマを見て、脚本家という仕事が周りの意見にどれだけ振り回され、自分の意思を反映させることが如何に難しい仕事なのかを学んだ(あくまでドラマの話ではあるが)。
脚本の櫻井さんは作品やインタビューなどからコナン作品への理解が深いと感じていて、特にゼロの執行人での降谷の活かし方が絶妙で、今作もとても期待していた。
今回の作品はゼロの執行人の直後から手掛けたという。ゼロの執行人の後に生まれた、まだ周りの意見に左右されない彼のオリジナルの"緋色の弾丸"という作品はどんなものだったのだろうか。
きっと赤井秀一を今の形よりずっと魅力的に描いていたのではないかと思う。
赤井家それぞれの立場を考えたら作品に組み込むのは確かに難しいが、今作はあまりにも取ってつけた感が強い。わかりにくい。
彼等がいないと成り立たない強敵や設定(イギリス絡みのテーマ)など、豪華なキャストに値する設定が欲しかった。
正義の話や仮初の姿の話、リニアにWSGに名古屋に将棋にと色々詰めすぎた結果、見所がわからない、ぼんやりした作品になってしまったのかと思う。
身元を隠し暗躍する彼等を描くのは難しいが、潔くテーマを絞って赤井家を際立たせて欲しかった。
あとCG感たっぷりのポスターのセンス、もう少しどうにかならないものか…東京事変持ってくるあたり、音楽はセンス抜群だと思うんだけど…