「好きだからこその辛口です」名探偵コナン 緋色の弾丸 nicoさんの映画レビュー(感想・評価)
好きだからこその辛口です
2年間待ち侘びた作品で、既に4回鑑賞しました。その上での評価です。
もっと赤井秀一の活躍が見たかった
赤井の活躍を期待した人にも赤井一家の話を見たかった人にも物足りない。彼らがいなくても解決した話だと思う。たまたま全員があの場に居合わせたというだけの話で、あれだけの個性と強さを持った赤井家の人たちを活かしきれていなかった。
赤井秀一の狙撃も良さが分かりにくく、また犯人も狙撃する程の凶悪犯?しかもFBIが他国で?という、なんとももやっとするもの。(そもそもWSGと国賓が絡んで日本の公安はどうした?という違和感)
狙撃自体は常人じゃあり得ない凄技かもしれないが、車内のコナンと真純だけでも犯人確保はできたのではと感じられ、赤井の凄さが十分伝わらない。せめて後半にもう一つ決め手となる一手が欲しかった。
また、その物足りないとは言え彼の一番の見せ場を予告で殆どまるごと見せてしまうのもどうかと思う。
キャラクターの動きに疑問を感じる点も多かった。
・世良とメアリーはプラチナチケット入手していて何故使わなかった?要人の護衛が任務で何故黒い車を追わず沖矢に攻撃した?
・小五郎は依頼人が行方不明になったのにひつまぶしを食べるようなキャラクターか?味噌汁を溢すのも彼にしては大袈裟に感じた。
・コナンが犯人を殺す気でいるであろう赤井に果たしてあのタイミングであの依頼をするだろうか?彼の正義からするとギリギリまで自分でなんとかしようと試みるのではないか。
犯人のインパクトも弱く、15年前の事件の動機などもはっきり明かされないので事件解決の爽快感が薄い。説明不足な点が多くもやっとしたまま話が進む。
終盤もパラシュートとボールだけで解決は無理がある。盛り上がりに欠け、クライマックスでコナンのテーマが聴けないのも寂しい。
せっかく一度あるかないかの赤井秀一の主演作。好きなキャラクターだけに残念でした。ゼロの執行人の降谷のように、彼だけにしかできない仕事が見たかった。
コナンは子供の頃からずっと共にあった作品で、原作も映画も楽しませてもらっているが、映画は前作に引き続き今年も残念な出来で正直がっかりしている。
建物を派手に破壊する必要も、最新の設備に拘る必要もない。CGに無理してお金をかけなくていい。ただこじつけでない緻密に練られた気持ちの良いストーリーとキャラクターの魅力が輝く作品であることを切に願います。
来年の主役も楽しみですが、キャラクター人気頼りと言われても仕方のない今の調子では、正直期待より不安の方が大きいです。
概ね同じ感想だが、正直その感想なら何故4回も見に行ったのか。
興行収入が制作陣を調子に乗らせていると考えると、劇場に足を運ばないことが作品のためな気がするのだが。