「コナンが好きな私たちへ」名探偵コナン 緋色の弾丸 ジョナサンさんの映画レビュー(感想・評価)
コナンが好きな私たちへ
あなたが今コナンに求めるものはなんでしょうか。
作品に求めるものが個人によって異なるのは当然です。そしてそれが年月とともに変わっていくのも当然です。
今回のコナン映画の感想と、自分がコナンに求めるものについて話そうと思います。
私がコナンを読み始めたのは、小学生の頃です。親の蔵書のひとつでした。初めて読んだ漫画でもあったその作品に私は夢中になりました。同じ子どもであるコナンがかっこ良く推理をする姿、犯人と勇敢に対峙する姿、黒の組織と緊迫した対決を繰り広げる姿、蘭姉ちゃんと切ない恋をする姿、少年探偵団の皆を頼もしく守り導く姿、どんなときも人命を軽視せず尊ぶ姿、すべてに惹きつけられました。
あれから何年も経ち、私はいくつも人生のステージを登ってきましたが、コナンは一定の距離を保ってずっと人生の側にいてくれました。年に一度のコナン映画もそのひとつです。
なので、批判的な目で見ることはあまりしたくないと思っていますが、今年のコナンは見終わって悲しくなりました。
子どもたちにWSGとは何?と問われ、各国が威信をかけて競うスポーツの大会と説明した灰原には、まずは世界平和のための祭典という言葉を出してほしかった。
犯人がまだ近くにいるかもしれないのに、子どもたちをワゴンに近づけ、ホテルマンの制服に注目するコナンには、まず周囲の安全確認と鈴木会長の安否確認を気にしてほしかった。
ジョンさんに「日本語うまいね」と無神経に話しかけるコナンは、日本人の外国人に対する無神経さを思い出させるので別のセリフにしてほしかった。
蘭姉ちゃんに抱きつかれ照れながら灰原と視線で分かり合うコナンは、本妻と愛人をもつ男という雰囲気がして、どうしても受け入れられなかった。
どれも本当にしょうもないことですが、もう少し配慮してほしいな、と思うところが多かったです。
大人になった私は、コナンには子どもたちに憧れられるような格好良い存在でいてほしいと思っています。
今回の映画のコナンは率直に言って格好良くはなかったです。やってること全部。
コナンだけじゃなく、蘭ちゃん、小五郎おじさん、園子、少年探偵団、灰原、FBI、捜査一課みんなイマイチでした。赤井家は良かったので、赤井家のことは大好きになりましたが、逆に既存のキャラは微妙すぎました。
まあ、長い付き合いなので、ちょっと変なことしてるくらいで嫌いにはなりません。これは現実の人付き合いと同じ、身内への甘さとでもいうべき感情なのでしょう。
あなたがもし、今回の映画に赤井家の活躍を求めるなら、絶対に観るべき映画です。
とにかくコナンの映画を観たいと思うなら、もちろん観るべきです。
何でもいいから面白そうな映画が観たいと思うならやめたほうがいいです。
面白くはないですし、人によっては不快になる描写が多すぎますし、とにかく起伏がないストーリーなので、ファンじゃない人が見るには眠気を堪えるのが辛い作品だと思います。
来年の作品へ期待を持ちつつ、また日々を過ごしていこうと思います。
評価低めに語ってしまいましたが、こうして当然のように来年の話をできるのも、映画スタッフの方々の尽力あってこそだと思うので、本当に感謝しています。ありがとうございます。
私と同じようにコナンとともに人生を歩んできたという方々、お疲れ様です。あなた方と感想を交わし合いたいと思い、初めて感想というものを書き込んでみました。
それではまた来年。