「一切評価すべきではない駄作。来年に期待。」名探偵コナン 緋色の弾丸 ぱんださんの映画レビュー(感想・評価)
一切評価すべきではない駄作。来年に期待。
コナンと同い年の頃からコナンを愛し読み続けて早23年。毎週の本誌も毎年の映画も欠かさない生粋のコナンオタクです。だからあえてストレートに言う。今年のコナンは駄作だと。
動く赤井秀一が見たい方、動く羽田秀吉が見たい方、赤井ファミリーが好きな方には十分満足できるのかもしれない。しかしこの映画はそういうライトコナン層向けに作られたもので、コアファンを蔑ろにしている。目先の興行収入は良くなるのかもしれないが、長年コナンに寄り添っているファンたちの期待を裏切らないでいただきたいの一言だ。
まず本作はトリックや謎解きの要素が何1つとしてない。終盤はあなたは誰々の娘ですよね息子ですよね、と動機にまつわるストーリーが語られるのみで、「だから何?」の一言である。犯人がわかったところで「ふーん」だし、「そういうことだったのか…」といった驚きの類の感情はこの映画には見込まない方が良いだろう。
本作の犯人が妙にぬるく、悪役になりきれていないのもこの映画の歯切れの悪さの一因だ。本当に自分が殺したい人以外は、危険に晒すことはあっても殺しはしない。誘拐するものの全員無事に返すという人道的な犯人だ。この犯人の手によって、コナンはじめ小五郎・蘭・灰原は気絶させられてしまうが、殺す気がなかったから助かるという運頼みの展開にも嫌気がさす。謎解きとアクションで犯人に打ち勝つのがコナンなのに、相手に殺す気がなかったから助かったねラッキー、ではもうそれはコナンではないだろう。映画版犯人はそれはもう非人道的で、どうしようもないクズで、手強い方が良いに決まっている。犯人がぬるいと映画全体もぬるくて仕方がない。
序盤の展開も、後々伏線としていきてくるのか?と思ったものの全く関係ないので無駄でしかない。少年探偵団が一度はリニアに乗ることになった意味は?結局乗せずにヤイバー仮面ショーに行った意味は?結局本筋に絡まないなら少年探偵団自体不要だっただろう。
コナン映画の魅力は「なるほど、そういうことか!」とハッとする謎解きと、「いやいや…相変わらずぶっ飛んでるな」というアクションの両立で成り立っている(あとラブコメも少々)。本作は謎解きゼロでアクションだけに走った結果、「ただコナンキャラがどんちゃんする映画」に過ぎないのだ。「いやー大規模だったね」の感想しか残らない。
私が1番憤りを感じているのは、こんなレベルの映画を1年延期したことだ。オリンピックがテーマになっているので、もしくはそもそも感染対策のため、など諸事情があると思うが、延期するならちゃんと期待に応えてくれと思う。映画制作チームは今年は作らなくていいから休もう!とでも考えていたのか?1年猶予があったなら、こんな駄作ではなくもっと中身を洗練しておいて欲しかった。映画制作チームにこの内容に違和感を持つ真のコナンファンはいないのかと甚だ疑問である。
本作は興行収入で前作以前を決して超えてはならない。まだ本作を見ていない方でこのレビューを読んでくれた心優しい方がいたら、ぜひ劇場には足を運ばないでいただきたい。DVDやHuluに出てから見てで全く後悔しない作品だ(赤井ファンでない限り)。低い興行収入を出して、その結果に制作陣は焦っていただきたい。もし数字がついてこなくても、「コロナだし仕方ないな…」などと考えないように。鬼滅はこの情勢で歴代1位を勝ち取ったのだから。そして来年以降ぜひコナンライトファンも、ガチファンも唸る、最高のコナン映画をまた生み出していただきたい。
※ここからは蛇足だが、最近のコナン映画の「とりあえずイケメンにフォーカス!」は嫌いではないのだが、イケメン以外にもフォーカスして欲しいのが本音だ。毛利小五郎回の映画が見たい。灰原哀回の映画が見たい。遠山和葉回の映画が見たい。赤井・安室・服部・キッド・黒のローテーション以外もぜひ試して欲しいと思う今日この頃だ。
概ね共感。これで数字がでちゃうから昨今のコナン映画はこうなってるんでしょうね、、、。残念。
あと、1話からの〜さんは低評価レビューに噛み付いてますがいまいち何が言いたいのかわからないです。きっと今回の映画が良かった派なんですよね?だったら喧嘩売ってないで素直に良かった点を述べたらいいんじゃないですか?感想は人それぞれです。