「ボーズマンの覚悟と信念」21ブリッジ うそつきカモメさんの映画レビュー(感想・評価)
ボーズマンの覚悟と信念
ややすっきりしない内容だった。
タイトルから、巧みに警察の包囲網を逃げ回る凶悪犯を、執念で追い詰める攻防を繰り広げるアクションエンタテインメントを期待していたのに、ちょっと違った。悪に手を染める側にもそれなりの理由をきっちり描いてある。それはそれで見応えのあるヒューマンドラマだった。
内容が内容だけに警察も協力を渋るんじゃないかと思う。実際のロケ地はフィラデルフィアだったようで、マンハッタンの21の端を閉鎖したり、それに伴う大混乱のシーンは最低限の描写しかない。
この映画にも階級社会の歪みや黒人の生きづらさが根底にある。特に犯人側のキャラクターは丁寧に描いてあり、これが意外に活躍?する。
映画のテーマは正義を貫く男の生きざまのようで、チャドッウィック・ボーズマンははまり役だ。想像の範囲でしかないが、この時期すでに余命宣告されていたのか、表情に覚悟と信念が込められているように感じた。
アカデミーノミネートされた遺作のほうは、なかなか見る機会がなくて、今のところこれで彼とはお別れ。
2022.2.22
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