「奇妙で慈悲深い独創作」ジョン・F・ドノヴァンの死と生 室木雄太さんの映画レビュー(感想・評価)
奇妙で慈悲深い独創作
監督自身の体験に着想を得たとい点もユニークである。いつもながら、孤独感の内情にじっと焦点を当てつつ、深層心理をじっくりと掘り当てる様な構成は秀逸である反面、水を差す様なPOPサウンドが挿入される習慣も又、独特な作風に仕上げる絶妙な彩りになっているのも、実に特徴的だ。真相への解釈は、物語を知る個人に委ねながら、どこか安堵を覚える物語。夢と現実の交差ほど、幸福に囚われる要因も無いのであろう。
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