「強国ロシアは罵詈雑言で創られる」オーバー・ザ・リミット 新体操の女王マムーンの軌跡 regencyさんの映画レビュー(感想・評価)
強国ロシアは罵詈雑言で創られる
あくまでもメインの被写体は、新体操選手のマルガリータ・マムーン(リタ)…のはずなのに、観終わって一番インパクトを残すのが、彼女のヘッドコーチのイリーナ・ヴィネル。
とにかくリタへの怒涛の罵詈雑言が、笑っちゃうぐらいヒドい。いや、ヒドいを通り越して、よくもまぁこんなに湯水が湧き出るように出てくるなと感心するほど。
宣伝文句では『セッション』や『ブラックスワン』と比較されているが、どちらかといえば『アイ・トーニャ』での、トーニャ・ハーディングの鬼母の関係に近いかも。「あんたはスケーターじゃなくてファイター」という、あの母親のセリフに近い言葉も実際に飛び出す。
当初こそ、イリーナは密着撮影に難色を示していたらしいが、いざ完成してラッシュ映像を観たら満足し、ロシアの映画祭で上映してほしいと頼んだとか。
これこそが強国ロシアの実態。怒られまくり、叱られまくりのリタが観てて気の毒になるが、国の威信がかかっている以上、勝利以外は許されない。
そりゃ他国が勝てないワケだ。
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