劇場公開日 2020年7月23日

  • 予告編を見る

「長澤まさみさんの役者魂が追悼メッセージに思えました。」コンフィデンスマンJP プリンセス編 グレシャムの法則さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5長澤まさみさんの役者魂が追悼メッセージに思えました。

2020年7月23日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

初日舞台挨拶付き上映で鑑賞。

先日のマザーに続いて、本作でも長澤まさみさんが実に味のある〝おかあさん〟を演じてました。
長澤さんの(たぶん)デビュー作の『クロスファイアー』(リアルタイムではなく、DVDですが)を思い出しながら、感慨深いものがありました。

三浦春馬さん、今回も女たらしなのに、清潔感と爽やかさが印象に残ります。

舞台挨拶では誰もそのことに触れませんでした。司会進行の途中にも、スクリーンにもそれ(追悼メッセージらしきもの)を窺わせるものは皆無でした。

きっと、長澤さんはじめスタッフ・キャストのみんなで決めたのではないでしょうか。
彼は映画の中で生き続けている。この場を追悼の場にすべきではない。
観客に感傷的な思いをさせるのは彼にとっても望むところではなく、少しでも多くの人が楽しんでくれることが今、彼が願うことのはずだと。

小日向文世さんが、個別の役者名こそ挙げていませんでしたが、どのゲストも豪華なのでその数だけ何回でも観て欲しい、と言ってましたが、たぶんその想いの中心には、三浦春馬さんのことがあったのだと思います。何回かマイクなしで話を始めて、東出さんから注意を受けていたのは、泣くのを堪えての動揺の表れだったのかもしれません。

ホンモノにはなれない、私はいつでもニセモノ。
私は詐欺師だから。

これは劇中の長澤さんのセリフ(正確ではありませんが)ですが、舞台挨拶を見終えてから、このセリフを思い出すと、役者としての魂と覚悟の言葉に聞こえます。

映画や舞台の中の自分がホンモノと思って貰えたら、それでいい。私は役者だから。

【お詫び】

事情によりレビューをコメント不可設定と致しました。
結果的に勝手に削除することになったコメントがございます。心よりお詫び申し上げます。

コメントする
グレシャムの法則